2013年06月04日

この百合小説がすごい!〜おすすめ百合小説読書マラソン〜

世に出回る百合漫画よりも、さらに探し当てるのが困難なもの・・・それが、百合小説でっすうううう!!!

一昔前よりは確実に増えていますけど、このジャンルはまだまだ少ないっすよー。砂漠に落とした真珠を見つけるような気持ちで、ろむろむはいつも百合小説を探す旅に出ております。ということで、百合小説の存在を知らしめ、総読者数を増やすため、私が今まで読んできたものを色々と紹介してみたいと思いまする。何か気になる小説がありましたら、直観の赴くまま手に取るがよろしかろです。

〜以下、ろむろむ的百合小説四天王〜
文句なしのガチ百合120%で、安心してお読みいただけます。

1、偽りの姫は騎士と踊る 作・渡海菜穂
気位の高い亡国の我儘姫君ディアナと、姫に付き従うたった一人の忠誠の女騎士エフィの流浪の物語。
かと思いきや、お話が進むにつれて、姫がひた隠しにしてきた秘密や真心が見えてきたり、クールな女騎士の忠誠を超えた姫への激情が見えてきたり、次々とピンチが襲ってきたりと、もう面白いわ萌えるわでページをめくる手が一向に止まりません!!ラストもエピローグも、もはや至上の域を超えてきてます。
これ以上のハッピーエンドがあろうか、いや無い。ってヤツですよおおおおお!!初めて読んだとき、凄過ぎて腰が抜けました。あとキス描写の丹念さに頭はじけました。
★過去の軽いレビューは→コチラ
偽りの姫は騎士と踊る―ダブル・エンゲージ (一迅社文庫アイリス)


2、あまいゆびさき 作・宮木あや子
幼い頃に強烈に惹かれあい、そして離れ離れになった少女二人が、再び運命的に出会い、苦痛な現実に抗いながらも未来を切り開こうとする物語。
美しく静謐な文体に時折混じる、少女たちの背徳的で甘く柔らかな触れ合いの描写の素晴らしさといったら・・・もう・・・悶絶級です。親の暴力やネグレクト、周囲からの孤立などで、過酷に追い詰められる二人が、それでも自分たちの味方でいてくれる友達の力を借りつつ、想いを貫き、二人で強く生きていくために必要な最善の方法を探していくってのが、スゲー地に足ついてて逆に熱かったです。
ちなみにエロス描写は波動砲級(当社比)です。
★詳細レビューは→コチラ
あまいゆびさき (Yuri‐Hime Novel)


3、幽霊列車とこんぺい糖〜メモリーオブリガヤ〜 作・木ノ歌 詠
自殺願望持ちの主人公・海幸が、廃線の上で出会ったのは明るくて芸術の才能溢れる少女・リガヤだった。その少女と結んだ“ある約束”は、二人の運命を大きく変えることになる・・・。
ええ、一時期、私この小説ばっかり繰り返し読んでましたけど何か・・・?これは二人のキャラが立っててすごくいいんですよ。海幸ちゃんがリガヤの為に、ドンドン強くなってカッコよくなっていくのに痺れました。終盤の『ちょ・・・これ・・・マジでどうなっちゃうの?!』という暗黒展開を突き抜けた後の、あの爽やかなラストのインパクトが半端なかったです。予想外のキス描写で伏線回収するのもSUGEEEE!!



4、ワイルドブーケ〜想いを綴る花の名は〜 作・駒尾真子
誇り高く高貴なお姫様と、お姫様の美しさに焦がれて憧れるいち侍女の出会いから始まる、ファンタジック百合ロマン小説。
恋を知らず、人とも距離を置こうとするお姫様の強烈なツンツンを溶かすことができるのは、ひたむきな侍女の一途な献身だけですNEEEEEEE!!!!手に手を取り合って、少しずつ恋をはじめよていこうとする流れは、まさに“正統派”というにふさわしいと思います。続編の2作目“ワイルドブーケ〜花の咲かないこの世界で〜”は、この1巻ではまだ少し抑え気味だった恋愛描写が超パワーアップしているので、合わせて読むことをお勧めします。
ワイルドブーケ 想いを綴る花の名は (一迅社文庫 アイリス こ 2-2)


〜以下、もはや伝説〜

5、マリア様がみてる 作・今野緒雪
私立リリアン女学園高等部を舞台とした青春と百合と、麗しい薔薇様たちと過ごす夢のような日々・・・。たぶんこの小説がなかったら、現在の“百合”という一大ジャンルは、もっと細々としたものとなっていたかもしれないです・・・。有名すぎますし今更紹介する必要もないかと思いますが、新規百合参入者は、伝説を知るという意味でも、改めて手に取って読んでみてもよろしくってよ。
マリア様がみてる (マリア様がみてるシリーズ) (コバルト文庫)


〜以下、新進気鋭の百合小説〜

6、安達としまむら 作・入間人間
一緒に授業をさぼってダラダラ楽しく過ごす安達としまむらはタイプは違うが仲良しの友達。そんな二人の関係がちょびっとずつ(百合な方向に)変わっていく様子を、ほんわかしながら見守る系の物語(?)。
ちょい不良っぽい安達と、ちょい真面目系のしまむらの、二人の視点が章ごとに交代しながらお話が進むので、どっちかというと“そんなそぶり”を見せてない方が、実はものすごくドキドキしながら相手のことを見ていたんだな〜。ということが、視点が変わった瞬間、どんどん明らかになってきたりするのが面白いです。自称宇宙人の美少女と友達になったりする謎展開もありますが、とりあえず、しまむらの可愛さにウキウキしつつ、安達の更なる百合パワー覚醒に期待しつつ、続刊の刊行を楽しみにしたい作品ですね!
安達としまむら (電撃文庫)


7、安達としまむら(2) 作:入間人間
ということで、友達以上の曖昧な線を行ったり来たりしているふたりのゆるい日常の続きが出ました!!
今回は、偶然安達の母親とジムで出会ったしまむらが、安達の為にその母親と口論するとゆう熱い展開がありました。しかし、その抗議のおかげで安達と母親の関係が、ほんのり改善したことを知って、ホッとしたせいか安達のひざまくらを堪能するしまむらの行動マジ意味わかんねー!!更に安達の太ももに顔を埋めて“安達の匂いがする・・・”とかましたり、母親と違って桃色に染まる肌が艶やかだ・・・と思ったりと、しまむらの百合ポテンシャルと、天然誘い受けパワーが、しょっぱなから1巻の3倍ぐらいアップしてんのもスゴイ!!。
ラストも、しまむらが肉体的に安達を意識し始めて、オイオイオイどこまでいっちゃうんですかこれイヤイヤもっとやってー!!と無意味に大興奮しました(キモい。この調子だと、100%次巻もありそうなんで、今から死ぬほど楽しみです。はい。
★詳細レビューは→コチラ
安達としまむら (2) (電撃文庫)


8、人形遣い 作・賽目和七
人狼に追われて死にかけていた妖魔の少女・鈴音を、なんとなく成り行きで助けた、化け物退治一族の“天才人形遣い”かつナルシス系主人公・坂上神楽。鈴音を巡る人・妖魔・吸血鬼が混戦する激しい戦いと陰謀に巻き込まれてしまった神楽は、持ち前の天才的戦闘センスを駆使しつつ、己の秘められし百合スキルを開眼させてゆくのであった。
超能力系の激しいバトル描写と、ふたりがお互いを理解し、丁寧に絆を積み上げてゆくまでの百合描写が共存共栄している・・・ある意味スゴイ作品です。まったく他人で、ともすれば敵同士にもなりえる二人が、どんどん惹かれあっていく様子が、すごく自然に書かれているのが素敵です。バトルの合間のデートシーンのキャッキャぶりに萌え転がるがよい・・・。かなりのガチ百合作品でした。
★詳細レビューは→コチラ
人形遣い (ガガガ文庫)


9、ニーナとうさぎと魔法の戦車 作・兎月竜之介
暴走する野良戦車から人々を救う私立戦車隊のメンバーの活躍を描いたファンタジー物語。このシリーズ、普通に面白くてモリモリ読めるんですけど、主要登場人物が女の子だらけというのが非常にポイント高し。
明るく元気にイチャつくのは勿論のこと、励ましあったり、喧嘩したり、じゃれあったり・・・などなど、個性豊かな少女たちが織り成す世界を眺めるのがすっごく楽しいです。少女たちの絆と友情と希望の為の戦い・・・そこに仄かな百合な雰囲気が混じり合えば、もはや言うことなしではないですか!!主人公ニーナとアリスの純情カップルぶりとか、エルザとクーのケンカップルぶりが可愛くて美味しいです。基本は友情百合ですが、今後の展開(と百合度上昇)に、期待をもてる物件であります。
ニーナとうさぎと魔法の戦車 (集英社スーパーダッシュ文庫)


10、ノートより安い恋 作・森田季節
百合姫連載の短編百合小説集。描き下ろし有り。
SF、日常、伝奇系と、色んな形の百合物語を楽しめるので、これは!!と思うお気に入り作品を見つけることもできるかもです。ただ、ちょびっと難解で読みにくい部分もあります。私は“相思相愛のこわしたかた”という作品がめっちゃ好きですね。竜神様(♀)とその嫁となった少女の試練のお話で、一番スラスラ読めて、起承転結が明確かつ怒涛の百合エンドを迎えるので、満足度が高いです。装丁もスタイリッシュでカッコイイです。
ノートより安い恋 (Yuri‐Hime Novel)


11、ニートな君主の竜退治〜グランクレスト・リプレイ 作:重信康
百合でTRPGって新鮮!!普通のラノベとは体裁が異なりますが、ハラハラした冒険譚を楽しめる上に、登場人物も全員美少女で、百合キャラもぶっこんでいる大満足な作品でした。
出来るだけ働きたくない&自分の魔法の才能を捨てたいと思っている若干あかん子な主人公ニーナが、メイドのスティア、ガチ百合肉食獣のプロテア、クールな戦士のインクという美少女達と共に、なんだかんだ言いながらも、人々を救う為に、強大な竜に立ち向かうという王道冒険モノです。野営の度に、スティアを落とそうと意気込むプロテアさんと、満更でもないスティアがいちいちアホかつエロくて良かったです。しかしプロテアさん、スティアをからかいながらも、ニーナに惹かれてたりするし・・・。続刊ありそうな感じなので、今後どんな百合三角関係が築かれ、ついでに冒険の世界が広がっていくのかとても楽しみです。
グランクレスト・リプレイ ライブ・ファクトリー ニートな君主の竜退治 (ドラゴンブック)


12、鹿乃江さんの左手 作:青谷真未 

“この学校には魔女が棲んでいて、どんな願いごとも一つだけ叶えてくれる”という噂を巡って繰り広げられる、3つの不思議な物語。新進気鋭の作家による青春系ミステリ小説。って、ウオオオオオオオオ!!!久々に読んでて百合魂が熱く震えましたわ!!特に三作目の『薄墨桜』がマジでガチ百合小説です。一作目、二作目は友情というか、女の子同士の心の繋がりとか、不器用な関係を楽しむ感じなんですけど、この三作目は超直球でしたね。
『薄墨桜』→眼鏡クールな女子学生・冴木さんに突然告白されて激しく戸惑う女性保険医が主人公です。そこに例の“魔女”の噂も絡んできて、主人公は知らず知らず不思議な世界に巻き込まれていきます。もうこのお話は全然先が読めなくて、でも張られた伏線は綺麗に回収されていくし、冴木さんは真っ直ぐでカッコいいし、先生はなんかちょっと駄目なとこが可愛いし、色んな意味で読んでてすごいドキドキしました。ラストの冴木さんの台詞とかあまりに素敵すぎて、これ先生じゃなくてもときめくと思います。冴木さんもいいけど、この先生の告白されてからの悩みぬきっぷりも凄い良かったですね〜。冴木さんに惹かれている自分を、必死に否定しようと右往左往するところがまた美味しくてカワイかったです。おすすめ!

鹿乃江さんの左手 (ポプラ文庫 日本文学)


13、スキュラ&カリュブディス〜死の口吻〜 作:相沢沙呼

人形のように美しいが、その圧倒的な存在感のため周囲から怖がられている少女・此花ねむり明るく思いやりもあるが、複雑な家庭環境のせいで、内心孤独感を抱えながら過ごしている少女・鈴原楓。居場所を求めて、夜の街を彷徨っていた楓は、偶然出会った同級生のねむりに拾われ、ねむりの一人暮らしのアパートに招かれる。共に過ごしていく中で友人となり、お互いに強く惹かれあっていく二人だが、時を同じくして彼女たちの暮らす街では猟奇的な事件が頻発していた・・・。
これは・・・とてつもない現代伝奇百合ホラー&ミステリー小説でしたわ!!大胆で予想を裏切る展開の物語にドキドキしますが、それ以上に、ねむりと楓がお互いを心から信頼し『一緒にいたい』『助けたい』『守りたい』と、はっきり自覚していく過程の心理描写がたまんなかったです。ガチキスシーンなどがある訳ではないですが、官能的で美しい百合描写の数々は必見でございます。

スキュラ&カリュブディス: 死の口吻 (新潮文庫)


〜以下、読者の懐の広さを試される個性派百合小説〜
しかし百合度の高さは実証済み

14、どろぼうの名人 作・中里十
敬愛する姉に“しばらくの間、自分の知人の妹になって欲しい”と頼まれ、わけもわからないまま、その知人・川合愛と暮らすことになった主人公・初雪(15歳)。なんというか、全体的に不思議な雰囲気漂う作品なんですよね。“考えるな、感じろ”的な・・・。しかも川合愛はバツイチで向こうに引き取られた子供有りという百合小説とは思えぬ意外な設定なのです。読み進めるごとに、どういうことなの、これ?という疑問が泡のように湧いてくるのですが、ラスト7行の締めくくり方が文句なし級だったので、すごい力技で“ま、いっか”とねじ伏せられました。
どろぼうの名人 (ガガガ文庫 な 4-1)


15、ストロベリーパニック 作・公野櫻子
聖ミアトル女学園を舞台に繰り広げられる乙女たちの秘密の物語。主人公・蒼井渚砂と、麗しのお姉さま花園静馬を中心に、様々な少女たちの恋が入り乱れる群像百合小説。とにかく文章の電波ゆりんゆりんレベルが高いので、読む前に心身のコンディションを整えておくべきかと思います。会話文の文末にハートマークが乱舞しているのは仕様です。
ストロベリー・パニック!〈1〉 (電撃文庫)


16、乙女は花に恋をする 作・沢城利穂
私立カトレア学園を舞台に繰り広げられる乙女たちのスイート・ラブ祭りの物語。天然系主人公と学園の王子様的先輩の織りなす初恋模様を覗き見る感じです。あとは主人公のひなちゃんが、道に迷っただけで『ふえぇ』と泣き出すレベルの幼い性格かつアフォなのを受け入れられるかどうかにすべてがかかっています。
私立カトレア学園 乙女は花に恋をする (一迅社文庫アイリス)


17、バニラA sweet partner 作・アサウラ
百合でバイオレンスで逃避行。どこにも逃げ道を見つけられなかった二人の少女が、銃を手に取って、自由を求めて逃げ出す・・・。というコンセプトは凄く熱いです。
人殺しの敷居の低さに若干唖然としますが、百合的な心情描写は丁寧で非常に良いです。お互いを激しく想い合い、互いの幸せを祈る為に最後に交わす“約束”のシーンも、非常にジーンときました。
ありきたりの結末を許さず、まっとうなやりかたで罪を贖うことを良しとする終わり方にも好感を持てました。ただ途中の逃避行シーンや銃の詳しい話は正直『?』でしたが・・・。。
バニラ A sweet partner (スーパーダッシュ文庫)


18、君が僕を 作・中里十
商売繁盛の現人神?っぽい女子中学生“恵まれさん”の真名と、そんな謎の彼女が気になって仕方がない主人公・淳子の哲学的風百合。全4巻読みましたけど、正直話の意味は今もよくわかってません。
二人は単なる興味からはじまり、いつしか真剣に想いを交わしあい、誰も入ることの出来ないような強固な絆を結んだあと、結局永遠に離別して・・・いや、本当か?本当にそうなのか??とまあ、読み手の解釈や想像力に最後までゆだねているので、本当にどういう話だったのかと聞かれても、答えにくいんですよ。百合であることに間違いはないんですけどね。。
君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)


19、みすてぃっく・あい 作:一柳凪
冬期休暇中の森に囲まれた寮には、主人公を含め4人の少女が残っていた。閉ざされた寮の中で過ごすうち、主人公はふと不思議な感覚を覚えるのだが・・・。
こ・・・これは・・・SF+哲学+ミステリー&百合という、新境地に挑んだ意欲作な感じですかね。まがいもなく、登場人物たちの関係(感情)は百合にカテゴライズされるのですが、可愛いタイトルに反して内容が超 難 解 。でも、SFの知識が多少ある人ならすんなりこの世界に入り込めると思います。伏線も山盛り張られていて、それがどんどん回収されるラストの展開には、なんるほどー!!と、感心させられました。あと、登場人物達の行動原理に“猛烈な百合感情”が絡んでいるのはマジ間違いないのですが、それが終盤に突然巻き起こるので、少々感情移入しづらくなっており、なんかもったいないなーという気はしました。
みすてぃっく・あい(ガガガ文庫 い 3-1)


20、紫色のクオリア 作:うえお久光
あらゆる人間がロボットに見えてしまう少女・毬井ゆかりと、その親友・波濤学(通称*ガクちゃん)を中心とした壮大な“愛”とSFの物語。
ゆかりに訪れる残酷な未来を改変するために、ガクちゃんが頑張って頑張って頑張りまくるんですけど、その尋常じゃない頑張り方(*時空超越レベル)が本作の百合的見どころですね。そう・・・ガクちゃんは、ゆかりを救う為なら、手を汚すことも、自らを鍛えぬくことも、残酷に在ることも、孤独であることもよしとする、とんでもない超親友だったのです。。SFとしても非常に面白いのですが、この二人のたどり着く先が気になりすぎて、ページをめくる手が止まりませんでした。ゆかりとガクちゃんは親友同士という設定なので、物語中に明確なゆりゆり恋愛描写がある訳ではないのですが、百合読解力を持つ人が読めば、ふたりの熱すぎる絆やお互いを思いやる言葉の数々に超悶絶すること間違いなしです。漫画版3巻に4ページですが、ゆかり視点の補完描き下ろし小説が掲載されているので、そちらもおすすめです。
紫色のクオリア (電撃文庫)

★詳細レビューは→コチラ

〜以下、原作を知らないとハードルの高い百合小説〜

21、京四郎と永遠の空−前奏曲− 作・植竹須美男
とある電波アニメのノベライズ版。神無月の巫女マニアなら“京四郎〜の世界”における、千歌音ちゃん(仮)と姫子(仮)の出会いや、ふたりで暮らしていた頃のキャッキャウフフな様子を読むためだけに買うべき物件です。出会った瞬間から姫子(仮)にマジ惚れMAXの千歌音ちゃん(仮)の濃厚な心理描写パネエです。短編小説集なので、全部が百合ってる訳ではないので、そこだけはご注意ください。
京四郎と永遠の空―前奏曲 (富士見ファンタジア文庫)


22、刹那〜そのとき彼女が願ったこと〜 作・山下卓
BLOODLINKというライトノベルのスピンオフ作品。
悲劇展開突入寸前まで、すごくゆっくりと少女同士のほのかな友情と恋の間で揺れる日々が綴られていて、読みやすいし、描写はきれいだし、百合小説としてはものすごくレベル高いです。
ただ本編を読んでいないと、何故そんな少女たちの幸福な日々が突然こんな形で終わってしまうのか、まったく理解できないのでその辺がなかなか難しい所かと。。それでも二人は最期の瞬間まで幸せだったんだと思わせてくれる結末はとても素敵だなと思いました。
刹那―そのとき彼女が願ったこと days of Broken Blood (ファミ通文庫)


23、白衣性恋愛症候群Summary 作・円まどか
看護婦になってあらゆる女子を落としまくる神ゲームの、短編小説集。本編はあんなにイチャラブしまくってるのに、何故この短編集はこんなにストイックなのかしら・・・。百合度は極薄ですが、主人公をめぐって、先輩と後輩がホワイトデーのお返しを競いあったり・・・まあ、ゲームをやった人ならそれなりに楽しめるお話が入っています。ただ、このゲームのファンは、もっと激しく過激な百合SSを求めていたと思いますけど・・・。★詳細レビューは→コチラ
白衣性恋愛症候群 小説短篇集 Summary (まるち文庫 11)


24、BLOOD-C THE LAST DARK 作:藤咲淳一
これ読んで“百合KITA!!!”と思える人は多分私だけかもしれない・・・。微百合もいいとこ。ですが、真奈の小夜に対する想いは、絶対に友情を超えていたという謎の確信があるので、とりあえず推しておきます(何。真奈の血をエロく舐めた後で申し訳なさそうに謝る小夜と、なんで謝るかわからずにきょとんとする真奈のシーンとか、とても好きです。ええ、とても。
BLOOD‐CThe Last Dark (角川ホラー文庫)


〜以下、純愛とエロの両立に挑んだ百合小説〜

25、384,403km―あなたを月にさらったら 作:向坂氷緒
主人公・美由紀は、幼稚園の頃に出会った少女・理緒に(勝手に)片想いをし続けていた。理緒と違う小学校・中学校に通っていたことを、地球から月ぐらいの距離に例えては、色々絶望していた美由紀だが、猛烈な勉学の末、遂に理緒と高校で再会することに成功する。しかし、怪しい先輩の謎のサークルに引き込まれ、その日から理緒を巡る激しい駆け引きがはじまるのであった・・・・。
実は昔読んだとき、後半の怒涛のエロ描写にちょっと引いてしまって、そこから放置してたんですけど、今読んだらエロかったのは挿絵で、文章自体は普通のライトエロスでした(爆。とにかく理緒のことが好きで好きで好きで好きで好きで好きでどうしようもない、若干アフォの子・美由紀の一途さが良い。すごく良いです!!美由紀のこの無駄な勢いは、無事想いが通じ合った後、こいつがキスだけ終わるわけがNEEEEという強い説得力に繋がっているとも思います。エロに惑わされますけど、テーマは純愛ガチ百合を描いた作品だと思います。
384,403km―あなたを月にさらったら (ティアラ文庫)


〜以下、なんとなく百合なノリがある小説〜

26、パーフェクトフレンド 作:野崎まど
浮世離れした天才数学少女“さなか”と、気が強いけどお人よしな“理桜ちゃん”を中心にした“友達とは何か”という命題をめぐる、ある意味スペクタクルなお話。独特のノリや明るさと静謐さが入り混じった不思議な雰囲気が、管理人はかなり気に入りました。
世話焼きな理桜ちゃんに、不思議系のさなかが徐々に心を開いていく話かと思いきや、中盤の怒涛の展開で、想定外の方向にお話が流れていき、そこにSFやミステリーや数学的思考も入ってきて・・・・いやー、ドキドキしました。ほんと、中盤のあの展開のおかげで、私の心臓がマジでやばかったですよ。。う、嘘や・・・嘘やああああんん!!!!・・・みたいな。これは、実際に読んで体感していただきたいですです。テンポのいい掛け合いや、個性的な友人たちのとやりとりもすごく面白かったです。友情百合をめいいっぱい堪能したい方におすすめ。

パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)


27、夜姫と亡国の六騎士 作:舞阪洸
勇猛果敢な戦争の天才・バイオレッタ姫は、優秀な六人の姫士(きし)を従え、祖国復興の為に戦い続けていた。ものすごい女好きでもある姫は、六姫士や侍女などとウフフしながらも、敵を次々と打ち破っていたのだが、予想外の展開が姫たちを待ち受けていたのであった・・・。今まで、こういう系のファンタジー作品で、百合設定をガツンと入れてきた作品をあまり見たことがなかったので、その心意気に、何やら熱いもの(?)を感じましたNE!!とりあえず姫が勇ましすぎて、あんまり少女って感じがしないのと、あまりにも肉欲系過ぎて、繊細な百合描写を期待することはまったくできないので、そこらへんはご注意ください。全体的に男性向けなのかな・・・?
夜姫と亡国の六姫士I (ファミ通文庫)


・・・はあはあ・・・ちょ、ちょっと頑張りすぎたかな・・・。
まだ紹介しきれてないものもあるので、また頑張ってそのうちレビューしたいと思います(希望。

<追記>
*2013*
*8/7『人形遣い』を追加しました
*10/13『安達としまむら(2)』を追加しました
*10/13『みすてぃっくあい』を追加しました
*10/14『384,403km―あなたを月にさらったら』を追加しました
*10/17『夜姫と亡国の六騎士』を追加しました
*2014*
*1/22『紫色のクオリア』を追加しました
*1/22『パーフェクトフレンド』を追加しました
*3/6『ニートな君主の竜退治』を追加しました
*3/14『鹿乃江さんの左手』を追加しました
*10/21『スキュラ&カリュブディス〜死の口吻〜』を追加しました


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