歌:志方あきこ
1、復闊の日 〜Prologo〜
2、うみねこのなく頃に
作編曲:志方あきこ 作詞:みとせのりこ&波乃渉
民族音楽的作品を歌ったら、アニソンワールドで右に出るものはまず居ないと思われる、志方あきこさんの作品です。“ひぐらしのなく頃に”でおなじみの、竜騎士07氏の新作ゲーム“うみねこのなく頃に”のOP主題歌となっております。本人曰く“ベアトリーチェへのへのあふれ出る愛情が詰まったミニアルバム”ということで、実に聞き応えがあります。
もう・・・なにもかもが圧倒的ですね。壮大に渦巻くサスペンスを予感させる、恐ろしくも美しい旋律。多重録音による重層なコーラスは、より奥深い幻想と闇の中へ、私達を誘うようです。志方さんの楽曲ジャンルとしては“花帰葬”に近い雰囲気がありますね。
“OP曲の担当なので、自分の中では『うみねこのなく頃に』の世界に入るきっかけや導入としての役割を果たすということが、まず目標にありました”(アニメイトTVインタビューより)
ゲームをプレイする人たち全てが、曲を耳にした次の瞬間に“うみねこ〜”の世界へ引きずり込まれていってしまうような、勢いと激しさがこのOP主題歌には求められたということです。主題歌は、ゲームを開始してから10分ぐらい経ってから突然始まるのですが、私自身、何度やっても完璧に聴き入って(魅入って)しまいます。
志方さんは、楽曲を作る前に、竜騎士先生より重要なキーワードを幾つか貰ったらしく、その中の一つに『愛がなければ見えない』というキーワードもあったそうです。それらのキーワードを固めて形にしたのが、この作品だそうです。なるほど・・・本編と微塵のブレも感じさせない曲の世界観は、そういう土台の部分から、しっかりと形作られたからなのでしょう。
3、金色の嘲笑 〜麗しの晩餐〜
作曲:ラック眼力 編曲:弘田佳孝 作詞:篠田朋子
ゲームの劇中曲。魔女のお茶会などでよく聴く曲ですね。志方さんがベアトリーチェになりきって高笑いをしているのですが、恐ろしいぐらいにハマリまくっております。ゲームでは“ウキャキャキャキャ”と、聞こえるアレですね。
“ベアトリーチェのトリッキーな感じを出したく、ボーカルやコーラスも思い切った加工をしてみましたので、シーンごとに歌の感じが変わるようなになっています。ベアトリーチェの気まぐれで残酷なところを少しでも表現できればと思いまして。”(同インタビューより)
優しそうな声色が、次の節ではうって変わって乱暴なものになったり、嘲笑うものに変わったり、ひたすら高みを目指すようなものに変わったりするのが、すごく面白いです。超常とか幻想とか云われる様な、現実とは一線を画す美しく残酷な“ベアトリーチェの”“魔法の”世界を、見事に表現しておられます。
4、片恋
作編曲:志方あきこ 作詞:波乃渉
ごめん・・・この曲マジで素晴らしすぎるんですけど。ろむろむの中で久々の爆ヒット来ました。しめやかで哀しげな曲調に、胸をしめつけるような切ない歌詞の融和に一撃ノックダウンでございます。こいつあスゲエ書き下ろし曲だぜえええ!!
1番のラストで、この恋が明らかになったら(君に拒まれてしまったら)、今までのものが全て無くなってしまうかもしれないという恐れから“どうか答えを言わないで いつまでも”と気弱な願いを掲げていながらも、2番のラストでは“だけど諦めたくないよ いつまでも”という強い意志で締めくくってるとことか、痺れまくっちゃいます。
この作品は、うみねこの〜の登場人物のエピソードを土台にして作られたそうですが、私としては、これは朱志香と嘉音のお話ではないかと思いました。朱志香が嘉音に好意を抱いているという仮説は、色々な伏線を眺める限り事実に近いように感じましたが、嘉音が本当に朱志香に好意を抱いているのかはイマイチ怪しいんじゃないかと。嘉音が『お嬢様が好きです』とかなんとか云ってるのは、実は全て朱志香の『・・・だったらいいな』な妄想ではないのか?とか。。
・・・ってな訳で、朱志香から嘉音に向けての優しく激しく哀しい“片恋”を、志方さんは表現したかったのではないかと思いました。これで後々になって『いや、金蔵→ベアトリーチェですけど何か』とか明かされたら恥ずかしくて立つ瀬が無いんですけど、とりあえず今はこの妄想に一票叩き込んでおきます(何。ああー、でもすべては竜騎士先生のひっかけで、実は嘉音→朱志香の片恋で、自分に好意を抱いてくれている朱志香は、全部嘉音の妄想とかいう展開も(略。
5、黒のリリアナ 〜メランコリア〜 (インスト)
エピソード2のEDロール曲。
6、うみねこのなく頃に -Alternative Instrumental Suites- (インスト)