作詞:スガシカオ 作曲:スガシカオ 歌:スガシカオ
アニメ『ブギーポップは笑わない』OP主題歌。
最初ブギーポップのOPとして聴いた時は、深夜アニメにこんな渋カッコいい曲が来るなんてSUGEEE!!!と心の底から思ったものです。
画面は暗いが、話も暗い、登場人物はもっと暗いアニメである『ブギーポップ』のはじまりを告げる曲だけあって、薄暗闇と雨の匂いがする、それでいてアンニュイ一辺倒ではなく、どこか軽やかさのようなものも感じさせる作品だと思います。
歌詞は“僕”の視線や、感覚、行動の描写が主軸になっており、それはまるで、歌詞そのものが短編小説の体裁をとっているようであります。スガさんの、陰影のある発声・絶妙な間の取り方も非常にクールで、聴き手をその深い物語の奥へ吸い込むように連れてゆきます。
淡々とした情景描写の中に浮かびあがる“君”と“僕”の姿はどこまでも曖昧で、その顔すらもはっきりと見えてきません。言葉も上手く交わせないまま、ただ気持ちが静かに離れていく二人が、夕立の向こうにぼんやりと見えるだけです。
ブギーポップという物語は、俗に言うセカイ系と呼ばれるもので、自分の敵は自分を取り巻く世界だったり宇宙の意思だったり、そこに触れることで何かを得たり失ったり、よくわからないまま何かが終わったり・・・とりあえずそんなジャンルに属す小説であります(ってかセカイ系って何だろ?。
“君”と“僕”と、その周りの世界を淡々と描きつつ歌にしたこの『夕立ち』という曲は、このブギーポップの世界観に何処か似ているような気がします。
スガさんのインタビュー等を見ていると、自身の歌がアニメの主題歌になることについては、割とどうでもよく思っているように感じられますが、それはまぁ普通のJ−POPアーティストさんならば致し方ないことでしょう(残念なことですが。しかし、それはそれとしても、この『夕立ち』の歌詞中には、ブギーポップを多少なりとも意識したのかな?と思われる箇所も幾つかございます。
例えばサビのフレーズ“ふいに君がくちずさむ ぼくはきいてる ききおぼえのないメロディー”。
これは、『ブギーポップは笑わない』(1巻)で、ブギーポップ(となった宮下藤花)と屋上で一緒に語らっていた時の竹田啓司の視点ではないかと推察できます。
ブギーポップと竹田はほんの少しの間だけ、世界の危機と関係ない場所(夕焼けに染まる校舎の屋上)で語り合い、友情に似たものを育みます。しかし、世界の危機と共に自動的に浮かび上がり、その消滅と共に存在を消すブギーポップとの関係は長くは続きません。近々訪れるであろう別れの予感を口にするブギーポップに、竹田は言いようの無い淋しさを感じるのです。
“夕焼け空をぼんやりと、ふたりで何を話すでもなく眺めた。ブギーポップが口笛を吹き始めた。明るく、アップテンポな曲で、しかも呼吸に緩急があってすっごく上手だったが、しかし口笛なので、やっぱりそれはどこか寂しげだった”(『ブギーポップは笑わない』p56〜57)
近いうちにきっと失くしていまう危うい関係。或いは、既に失ってしまっていたのかもしれない関係。“君”と“僕”の、セピアに染まりゆく世界が、ブギーポップのストーリーとも相成り、この『夕立ち』という曲に独特の味わいを与えていると思います。
さて、ブギーポップで百合要素といえば・・・、これはもう映画!実写映画の方(00年公開)っきゃないでしょ!!霧間凪×末真和子とか、小説の中ではむにゃむにゃ言いながら居眠りしてる凪を見て、可愛いなあ〜と思う和子ぐらいのシーンぐらいしかなかったですが、映画はもう一歩先をいってくれてました。
まぁ、転んだ拍子にちょびっと切れた和子の指を口に含む凪と、それを瞬発的に振り払ったはいいけれど、それから凪を意識しまくってしまう和子とか、そんな可愛らしい程度なんですけど。小説版よりも、凪が気になって気になってしょうがない和子が結構しっかりと描かれていて(凪に詰め寄る和子とか)、なかなかのもんでした。役者の女の子も、なんつーかすごくいい感じにフツーな子で逆に良かったです(変に萌えました←死。マンティコアのキッスシーンは、萌えより恐怖なので略。
映画は全体的にちょっと甘い感じでしたが、最後の方が学園怪奇SFな感じで結構楽しめました。小説1巻を完全に映像化したという感じですね。アニメは、この映画の直後を想定して作られていて、映画よりも多種多様な視点が交じり合うオムニバス作品となっていました。それだけに、アニメは一見さんお断り状態でございましたが・・・。アニメの随所で見られる“光の柱”の意味なんて、小説か映画見てなきゃ100%意味分からんと思います。
しかし、90年代終わりの割と憂鬱な時代にヲタやってた人なら、多分一度は触れたことがあるんではないでしょうかね?
あの時代に感じていた空虚な感じ、ブギーッポップを読んで何ともいえない気持ちになったあの日々を思い出したいときに、是非おススメしたい一曲であります。
<拍手お返事>
2月3日×3と×6と×1
>ありがとうございます!
>会話手段が拍手だけ〜の方
いや、ほんとに。拍手かコメントか〜しかない現状ですね。掲示板もいいかな〜と思うこともありますが、ズボラろむろむは、きっとズボラ管理しかできなくなりそうなので、当面はなさそうな予感です。こんな感じですが、よろしくお願いいたします★
2月4日×10と×4
>ありがとうございます!
2月6日×4
>五々木様
おおお!お久しぶりでございます。五々木様も舞コレGET済みでございましたか!!
>私もSilent wing大好きです^^特にゲームの静留さんを思うと〜
マジですか!!!やっほう!!なんかSilent wing好きって人、微妙に少なめな気がするんで、同志って感じで嬉しいです★Silent wingはどのルートにも当てはまりそうな曲ですけど、静留ルートとして聴いたときの破壊力は抜群だと思います。“魔よけ”についてもチェックしていただきありがとうございます!静留様をあがめつつ、今後ともよろしくお願いいたします〜!!
2月7日×1
>ありがとうございます。
2月9日×1
>ありがとうございます。