作詞:望月智充
作・編曲:多田彰文
歌:犬飼真琴(喜多村英梨)With守東桃香(伊瀬茉莉也)&川壁桃花(早見沙織)
アニメ『桃華月憚』OP主題歌。
1話目が“最終話”であり、そこから1話ずつ巻き戻って最終回に本当の“第1話”が訪れるという逆再生アニメ。
というアニメにしてはモノ珍しい手法を取った設定の為、1話目こそ話題になりましたが、その後あまりの意味不明さに脱落者が続出(*私含む)し、最終回を迎えるころには、話題にする人もいなくなっていた(ような気がする)作品です。
絵は艶やかで美しかったですが、主人公達が何やってんのか常にわけわかめな上に、結局のところ謎もハッキリ明かされておらず、途中で声優が書いた変な脚本とかも入ったり・・・新しいことをやりたいのはわかりますが、内輪で盛り上がんのも大概に(略。
・・・と、それはともかく、このOP主題歌である『ゆめおぼろ』は、2007年に発表されたアニソンの中でもずば抜けたインパクトを持った作品だったと思います。
曲が始まってすぐに、哀愁漂う美しい弦の音が聴こえてきますが、これはなんと“大正琴”の音色だそうです。和楽器である大正琴の演奏は、曲に“優美さ”や“邦楽の趣”を乗せることに成功しており、『桃華月憚』の舞台である(古代不思議日本?)“上津未原”の空気感を余すところ無く表現していると思います。
メインボーカルである喜多村さんの艶やかな歌声は、和と洋が絶妙にミックスされた奇抜な楽曲に、しっとりとした質感と色香を与えており、聴く者の心を妖しく惑わせます。。喜多村さんは歌唱時の“アクセント”に独特の特徴がありますが、かなりハイレベルな歌唱力を持っている方だと思います。
ぴちぴちピッチOPの時は、今のアニソン界隈でよく耳にするような、割とスタンダードな歌い方をされていたのですが、この『ゆめおぼろ』ではそれとは全く異なる、ためいきの漏れる様な妖艶さが全面に押し出された歌いっぷりになっております。
犬飼真琴というキャラは『桃華月憚』ではヒロインを慕う百合後輩みたいな役柄だったと思いますが、主役二人を差し置いて主題歌を歌うということに何か重要な意味があったのでしょうか?作詞者インタビューを読むと、“真琴”の内なる本当の姿が重要だから抜擢・・・みたいに読めたんですが、実際はどうなんでしょうね。
あと、この曲は歌詞中に『枕詞(まくらことば)』を使用するという面白い試みを行っています。百人一首などで知っている人も多いと思いますが、和歌などで特定の言葉を引き出す為などに使われる五文字の修飾語のことを云います。
『ゆめおぼろ』では、“あかねさす”“うちなびく”“ひさかたの”“たまかぎる”・・・などなど、様々な枕詞が歌詞の中に入りこんでいるのです。
例えば“あかねさす”という枕詞は『日・昼・紫・君』などを修飾するきまりがあります。このことを知っていれば、最初の歌詞『茜さす 君の移ろひゆく影を求め・・・』が、この文法上のきまりを完璧に守ったものであることがわかると思います。
いやあ・・・ホントに、物凄いこだわりっぷりですねええ・・・(感嘆。
大正琴を取り入れた楽曲を作ったり、枕詞を上手く使った和歌のような歌詞を作ったり。。『ゆめおぼろ』は、稀に見るチャレンジ精神によって生み出されたアニメソングだと思います。その割に何故か知名度が低い気がするのですが『斬新なアニソンが聴きてえええ!!』という方などには爆裂おススメですので、是非にどうぞです。
2、断章
3、小さき死のように
歌:鬼梗(山県さとみ)
『ものみな眠れ 静けきときを 生きとし生けるもの 眠りを眠れ』
これは人々を優しく眠りに誘う“子守唄”です。ただし、眠ったら二度と目覚めないような気がする“子守唄”ですが・・・。束の間の眠りを『小さき死』と表現するところに、ちょっと背すじが寒くなったりするんですが、楽曲自体はなかなかのものだと思います。カラオケVerなんかは、すごく耳馴染みがよくって、癒されます。。
山県さとみさんの歌声は、際立って上手いというものでもないですが、このちょっぴりタドタドしい感じがなんか可愛いです(ところで山県さんて誰?)。
<拍手お返事>
>12月9日×1
ありがとうございます!!
>12月11日×3 ×1(21時)
>酸欠静留ファン様
こんばんはです!!魔よけなのか魔寄せなのかわかりませんが、何だかわからない猛烈な鬼百合パワーがブログ全体にみなぎってきたような気がします。
>芸事・学業のお守りになりそう
SOREDA!!静留様のご利益、いただきますます☆☆
>12月13日×1
>12月18日×1(17時) ×1(21時)
どうもありがとうございます!