作詞・作曲・編曲:橘尭葉
歌:妖精帝國
PS2ゲーム『舞−乙HIME〜乙女舞闘史〜』OP主題歌。
タイトルの読み方は“ヴァルキリア”。北欧神話に登場する神、ワルキューレの読み方のひとつ。ワルキューレと云えば、円盤・・・ではなくて、戦いの中で尽き果てた戦士の魂をヴァルハラに連れて行く“戦いの女神”ですね。ああ・・・なんか題名からして、すんごく舞乙っぽくてステキですね。
息をもつかせぬ激しい打ち込みの中、緩急に富んだメロディを、ジェットコースターのように疾走していく曲展開に、開始早々心臓わし掴みでございます。ボーカルのゆいさんは高音域が得意なのだと思いますが、全体的にはやや線の細い歌唱という印象を受けます。苛烈で重層な楽曲と並べると、このゆいさんの歌唱は若干アンバランスなものとして映ると思います。
このアンバランスさを“良い”と思うか“今ひとつ”と思うかで、帝國臣民になれるか否かが明確に分かれてくるのではないでしょうか?私は・・・臣民になれるほどではありませんでしたが、好感は持てましたし、結構クセになりました。インパクトがあり、飽きにくい作りにもなっているので、妖精帝國を全然知らない方にはおススメできる一枚でございましょう。
次に、この上なく舞−乙HIMEワールドを踏襲している歌詞について。
“貴石へ契り捧げて”“少女は清らな聖衣(ローブ)に信義託して”“舞し乙女よ咲き誇らん”・・・などなど。いやあああ、これはもう猛烈に舞乙、どこからどう見ても舞乙キーワード満載で素晴らしいですね。歌詞は、主の為に命果てるまで戦い続ける少女(乙女)を謳ったもので、ファンタジー&ゴス雰囲気満載の独特の言葉遣いなどがすごく面白いです。
個人的には、歌詞2番ラストの“何より貴方護りたいと 軋んだ身体何度でも”“最期の鐘に召されるまで 迷わず闘う”の部分が、ものすごく前作・舞−HIMEの某キャラを妄想できてエキサイトできました(謎。
さて、このValkyrjaという曲、“梶浦先生とアリプロの良いとこ取り”という風評が聞こえてきそうなのですが・・・確かにそれは間違っていないと思います。何となくですが、梶浦先生風のコーラス&曲調にアリプロっぽい歌詞が組み合わさっているように聴こえます。しかし、それらに引っ張られ(?)ながらも、妖精帝國なりの味わいを出そうとしている努力も曲中でハッキリと感じられました。
妖精帝國は、舞−HIMEのゲーム『運命の系統樹』で、挿入歌『last moment』『Fortuna』を発表していましたが、こちらも『Valkyrja』と同じく、梶浦&アリプロの雰囲気がそこはかとなく漂っていました。とはいえ、妖精帝國が発表している他の曲は、それほどアリプロな雰囲気は感じませんので、もしかしたら舞乙のテーマソングとして作るにあたって、あえてアリプロっぽさや梶浦テイストを意識したのかな?とも思います。想像ですけれども。。(*ALI PROJECTは舞-HIMEのゲームで主題歌担当/梶浦由記は舞HIME&乙HIMEのサントラ担当)
2、導きの蒼
導きの蒼とくれば、レナ・セイヤーズのGEM『蒼天の青玉』以外何があろうかって感じですね。こちらは、ゲームのエンディング主題歌になっています。Valkyrjaとは全く異なる雰囲気を持つ、どちらかといえばクセの少ない、スタンダードな作品に仕上がっていると思います。サビの静かな盛り上がりと、ゆいさんの優しげな歌声が耳によく馴染みます。
アリカ・ニナ・マシロを見守る、おおらかで暖かな(レナの)視線を、歌詞の中から感じることができます。舞乙を全話鑑賞された方なら、この歌詞に込められた意味に0.02秒で気付かれるはずだと思います。
さて、ろむろむはこの『舞−乙HIME〜乙女舞闘史〜』というゲーム、残念ながら手を出せませんでした。ゲーム画面もさることながら、ゲームのOP映像がいくらなんでも酷すぎで、とても買おうと思えなかったからです。
いや、ゲームのOP映像がアニメのMADとかって、幾ら何でもおかしくありません!?『Valkyrja』が勿体ねえええーってのが、私の正直な感想です。結局、このゲームは面白かったんですかね・・・?謎が深まりますが、このゲームによって『Valkyrja』を収穫できたということだけでも良しとします。
<拍手お返事>
>12月3日×1
ありがとうございます!!
>12月7日×1
ありがとうございますです!