プロローグ
第一話 オニのカクラン!?
水着ヒッチハイクのおかげでバッチリ大風邪をひいたなつきの受難。そこに、舞衣と命が見舞い(と介護)にやってくる。
『なんでお前らが・・・私が連絡したのは静留・・・』
『私たちはその会長さんに頼まれたの。どうしても抜けられない会議があるから、それまでなつきのこと頼むって』
ピンチのときは真っ先に助けを求めるぐらい、なつきは静留のことを信頼しているってコトですね。とはいえ、舞衣のおせっかいパワーもココに来て爆発。なつきの着替え&身体拭きまでを強制執行。丸裸にされてモキュモキュされ、なつきはへなへなになってしまいます。
『なつき・・・何故泣く・・・。そんなに気持ちいいのか?』
『違う!!』
『大丈夫よ。私会長さんみたいにテクニシャンじゃないし』
『だああ!!当たり前だ!!』
イチイチ会話に静留会長が絡んで来るところが、GOODですな。
第ニ話 なつき、絶対絶命!
舞−HIME暗黒史で語り継がれるあの“葱”エピソードの回です。
舞衣たちに遅れて、静留、黎人さん、碧ちゃん、楯の4人が見舞いにやってきます。
『でも舞衣さんたちが居てくれるなら、僕が来る必要なかったね・・・静留さんと二人っきりにすると危ないかと思ったんで』
『あら〜、黎人さん。どういう意味どす?』
『あ〜、あはっ・・・あはははは』
黎人さん、鋭すぎます。このお話は、調理実習バトル回の前日らしいですが、黎人さんは、この時点で障子の向こうで影絵エピソードを予感していたということなのですね(違。
みんなが騒ぎすぎて、更に病状が悪化するなつき。なつきがあまりに心配で、静留は、用意された料理も喉を通らない様子。。ちょっとなつきが咳き込んだだけで『なつき!!しっかりしぃ!!』と、咄嗟に余裕のない声をあげてしまう静留が良いです。
このままでは、明日の補習授業に参加できない・・・。教師としての使命に燃える碧ちゃんは、究極の民間療法“葱”を提案します。そう、葱をとある場所に突っ込むと、病が癒えるというアレでございます。
恐怖におののくなつきに『せやなあ〜、その手がありましたわ。なつきの為やもん・・・ウチがこの手で・・・』とやる気満々な静留。流石は、静留様です。なつきの為なら、簡単に手を汚せ・・・いや・・・本人すごく嬉しそうなんで割愛。
とりあえず、ラストの静留の台詞『○○ッ』で、すべての想像は補完できると思います(しかもエコー付き。ってな訳で、こんな馬鹿話の犠牲になってしまった、哀れななつきに合掌。
第三話 この子誰の子?
シスターと、深優、アリッサの三人が森の中で泣いている赤ちゃんを発見。しばらくの間、面倒を見ることになるが・・・。お腹がすいているのではないか?と推察したみゆの言葉を聴くなり、母乳をあげようとするシスターは、アホを通り越して突き抜け過ぎ。シスターがミルクを探して去った後も泣き止まない赤ちゃんに、アリッサは歌を聞かせてあげます。赤ちゃんの笑顔を見て、喜ぶアリッサが可愛いです。
第四話 小さないのち
第三話の続き。使命を果たしたら、お父様はどんなお願いも聞いてくれる。そうなれば、この赤ちゃんを弟にできるかもしれない。もしも・・・の話を、本当に嬉しそうに話すアリッサには、一抹の寂しさを感じます。
アニメでは何を考えているかわからない冷たい子供・・・というイメージがありましたが、このエピソードを聞いてから考えると、アリッサは、健気さと優しさをちゃんと持ち合わせていた少女だったんだな・・・と、思い直すことができました。
第五話 風花邸奇譚
真白の周辺に“何かがある”と怪しむ遥は、雪乃を伴って、風花邸に侵入するが・・・。真白の正体を暴きたいという理由が『あのぶぶづけ女』を悔しがらせる為というのが、いかにも遥らしいです。お話は普通に破綻していて意味不明。
第六話 ×印の誘惑
ヤヲイ妄想話。
第七話 男たち?の挽歌
パス。
第八話 桜の花、咲くころ
『君は多分、最凶最悪のHIMEになるね。期待してるよ?静留さん』
・・・という事で、遂にやって来ました。。
静留ファンならば、切なさに胸を掻き毟って死ぬこと必至の『藤乃静留→玖我なつき』公式サイドストーリーでございます。静留視点で語られる、なつきとの出会い、思い出、抱いてしまった恋心・・・そして狂気の萌芽・・・。
なつきとの思い出エピソードを、静留が回想していくという構成なのですが、すべての台詞に無駄がございません。静留は、壊れ物のように丁寧にふたりの記憶をなぞっていきます。二人の出会いをうっとりとした口調で語り、なつきの優しさを心の底から讃える反面、自分の想いを汚れたもののように、卑下します。これが如何にも静留らしく、それだけに、なんともいえない悲哀を誘います。
花を握りつぶそうとしたなつきと、それを止めた静留。
アニメでは『花は愛でるもんどす〜』の部分で終わっていましたが、このドラマではその後の二人の会話が聞けます。そして、この初めての出会いで、一目で恋に落ちてしまったことが、静留のモノローグで明らかになります。冷たく、警戒心むき出しだったなつきに、何度も話しかけて心を開かせ、ようやく“友達”にまで関係は進みます。
なつきが“下着コレクター”になったきっかけも、実は静留のおかげだったのでした。可愛い服は(欲しいけれど)着れないと、固く拒むなつきに、下着なら可愛いものを着ても見えないからと説得して、ランジェリーショップへ強引に連れて行きます。本編でも何度も強調される、下着マニアななつき。それは、女の子らしさを無理矢理押し込めているなつきの為に、何かをしてあげたい・・・という、静留の思いやりから生まれたものだったのです。
『そう、なつきはうちの歪んだ想いを受け入れられるような子ぉやない。せやからうちもええ友達。ええ先輩でいようと・・・そう、思てました』
『ほんまは、拒まれるんが怖かっただけかもしれませんけど、でも、あの頃のうちは、なつきが傍に居てくれさえすれば、それで幸せやと思てました。それで満足しよう。しなあかんと・・・あの時までは』
なつきと一緒に居る時のはしゃぎ声に、寂しげな静留の本心が被さります。凪によって、HIMEに架せられた宿命が知らされるまで、静留はずっとその恋心を強靭な意志で押し留めていたのであります。
『うちが負けたら、なつきが消える・・・。そう聞かされて初めて気付いたんどす。いつか、なつきがうちの想いを受け入れてくれるかもしれへん・・・。そんな夢みたいなこと、心の底でずっと期待してた自分に・・・』
自分の名前を呼ぶなつきの声。嬉しそうな声、ちょっと怒った声、寂しげな声、心配そうな声。それらがグルグルと静留の頭を駆け巡ります。この、なつきが『静留』を呼ぶ声をたくさん並べた演出は、静留の心がなつきへの想いで狂気スレスレまでいっぱいになってしまったことが、ゾクゾクするほど真に迫って伝わってくる、素晴らしいものになっていると思います。
『なつき・・・うちはなつきが欲しい。他にはなんもいらん。だから、うちは戦います。なつきをうちから奪おうとするすべてと。いつか――――あの子を本当にうちのもんにする為に』
強大なHIMEの力で、なつきの前に立ちふさがるすべてを打ち倒す決意を固める静留。なつきを奪おうとするすべてから、なつきを守る・・・そしていつかは、なつきの全てを奪い取ってしまいたい。相反する感情を心に埋めた静留は、後にその想いと願いによって、自らを破滅に追い込んでしまうのです。。
いやあああ、もう、凄まじいもの聞いちゃったという感じ御座います。静留の独白に、ここまでの破壊力が秘められていたとは・・・。静留ファンなら聞かずに死ねません。マジでこの7分間は奇跡です。
出会いからずっと傍で見守り、喜びをわかちあい、片恋ながら恋愛感情を深めていった静留。HIMEの力があろうがなかろうが、いつかは、ふたりの友人関係は破綻していただろうと思います。壊れると分かっていても、止まらない、止められない。そして求めてしまう。
普遍的な“恋愛”というテーマを同性愛(者)の視点から真っ直ぐブチ抜いてくれたことも凄いと思いましたが、何よりも、静留の心が1から10迄すべて曝け出されていることで、大変興味深く聞かせてもらいました。
静留ヲタにも、百合ヲタにもひたすら爆押ししたい一作で御座います。
第九話 明日への想い
舞衣と命が、なつきの部屋に篭城して、下着ドロオーファンを待ち構えていた時のお話。出会ったばかりで、まだ打ち解けきれていない3人が、色々な話をしていく中で、ちょっとずつお互いを分かり合おうとします。結構、シリアスです。
EX(ボーナストラック)
この物語は、宇宙戦艦カグツチ号が1200世紀の未来で、愉快なクルーと共に悪のシアーズ帝国と戦う物語である(原文ママ。
何が何だかわかりませんが、とりあえずサービス精神旺盛なのはわかりました。艦長→命、副長→静留、クルー→その他、管制システム→楯・・・といった配役。シアーズ帝国との最終決戦に備えて、何故かクルー全員でお風呂に入ることに。
『せやからなつき・・・堅い話は抜きで、ハダカ同士のお付き合い・・・しましょうなぁ〜』
『副長・・・撫で回すのはやめていただけますか・・・』
・・・この人(たち)は相変わらずです。
その後、突然の敵襲によって激しいバトル(?)展開に突入します。聴き所は静留さんの凛々しい台詞『弾幕が薄ぅおすえ!!なにやってんの!?』ですかね。物凄い強引なオチで終わるので、もうこの辺はボーナストラックだから・・・ということで、ゆるーく楽しんで聴くのがおススメです。
エピローグ
声優さんたちがこのドラマCDに絡めて、コメントを残していってくれてます(途中まで。みやむーがラジオっぽく喋ってるのが凄く懐かしかったです。
<総括>
ドラマCD1、2合わせて20話以上。ところどころアレな話もありましたが、シリアス・ギャグも含め、これほどたくさんのエピソードをよくぞ持ってきたなと感心致します。ドラマCDというものは基本的に、アニメ本編を全部見て、はじめて楽しめるという類のアイテムだと思うのですが、このCDは、まさにアニメと登場人物が大好きだった人にとっては、うってつけの作品集だったのではないかなと思います。
特に第2章は、静留ファンへのサービスも素晴らしかったですし、静留ヲタとしてはよくぞ!!という感じで御座います。機会があれば、レンタルでもいいんで是非、お手にとってみて下さい★
<拍手お返事>
9月15日
>拍手×10の方
ありがとうございます!!
9月18日
>お小遣い節約の為〜、静留ファンとしても酸欠〜・・・の方。
有難う御座います!!最近は、舞−HIME系レビューは、そんなにやってなかったのですが、あなたのおかげで目が覚めました。そう、まだ静留ファン同志は力強く顕在しているので御座いますね!!今回のレビューは、あなたのお言葉あればこそです。本当にありがとうございました!!そして、このブログをお買い物の参考にもしていただいているようで・・・ああ、もう感涙ものでございます。思いっきり、私の妄想パワーに左右されるレビューなので、ちょっとばかし不安でもありますが、これからもどうぞよろしくお願い致しますです★★★