『WHAT'S UP GUYS?/TOO LATE』(1995/11/3)キングレコード
作詞:松葉美保 作曲:五島翔 歌:古本新之輔&林原めぐみ
アニメ『爆れつハンター』OP主題歌。もはや名曲の域に入ると思われる素晴らしいアニソン。発売から10年近く経つ今でも、この曲の魅力は全く色褪せておりません。それどころか、聴けば聴くほど耳に広がる新鮮な味わいを持っているのです。。
『WHAT'S UP GUYS?』は、主人公キャロット役の古本新之輔さんと、ヒロイン・ティラ役の林原めぐみさんのツインボーカルがメインなのですが、そのコンビネーションの見事なこと×2!!
古本さんは結構クセのある歌い方をなさるんですが、逆にそのアクの強さが、曲自体に激しい“インパクト”を与えています。この曲の他にはCDは数枚しか出されておりません。ちょっと勿体無いですね。。そして、林原さんはスレイヤーズ系の歌とは全く正反対の、大人っぽさと色気の交じり合ったアダルティーな声で、攻めて攻めて攻めまくってきます。この二人の声の融合がここまで上手くいくなんて、誰が予想したことでしょう。
また、曲の出だし・イントロ部は、相当長い間(今でも?)夕刊キャッチアップというニュースコーナーのオープニングに使われております。このイントロを聴いたことがある人は正直めっっちゃ多いと思いますよ。『何の曲かは知らん』と言う人が大半でしょうが・・・。ま、こういう処で使われるのも納得というぐらい、WHAT'S UP GUYS?の楽曲がマジカッコ良い!!ということをわかっていただければ。
カップリング『TOO LATE』は林原めぐみさんのソロ曲です。エスニックな曲調に、大人びた声、どこか懐かしくなるような雰囲気。郷愁の憂いに満ちた一曲を、林原さんが渋めに歌っております。
林原めぐみさんという方は、楽曲&アニメ作品のテーマやイメージに合わせて、声色を使い分けて歌う声優さんです。声優さんにはそのようにして歌を歌う方が多いですが、多くの場合その『幅広さ』にはバラつきがあります。まー、声優さんは別に歌わなければいけないという訳ではないですから、『歌=ファンサービス、販促、片手間、事務所の戦略』ぐらいに考えている人が大半かもしれませんけどね。
とにかく、歌においてもキャラの設定や作品の世界観を忘れず、演技の延長線上で挑むというスタンスを取っている声優さんとしては、林原さんの右に出る人はおりません。少なくとも私はそう思っています。ですから、『WHAT'S UP GUYS?』や『TOO LATE』などの曲を聴くと、 『歌い手』や『表現者』としての林原さんの引き出しの多さを改めて感じさせられるのであります。
*『TOO LATE』は、林原さんの有名すぎるアルバム、『Bertemu』にしかと収録されていますので是非。
<爆れつハンター簡単あらすじ>
一握りの魔法を使える者達(法族・ソーサラー)が特権階級として君臨し、魔法を使えない人々(パーソナー)を支配している世界。 その絶対的な力の差から、人々はソーサラーから過酷な扱いを受けることが多かった。しかし、そのような悪のソーサラーを天に代わって闇で罰する『ソーサラーハンター』と呼ばれる者達がいた。ソーサラーハンターの主人公キャロットは、仲間のティラ・ショコラ姉妹、マロン、ガトーと共に人々を救う旅を続けていたが、やがて強大な敵との激しい戦いに身を投じていくことになる・・・。
原作小説はバカでエロな調子がずーーっと続いておりました。
行間が広い、活字がデカイ、読みやすい・・・ということで、本格小説などにあまり馴染まない中高生にとっては、手軽に読める楽しい本だったと思います。未完ですけど。あかほりさとるの最盛期のはじまりというか、ひとつの転換点となったがこの作品だったのではいでしょうか。コレ以前の、例えば天空戦記シュラト(小説ver)は、かなりテイストの違う硬派な作品でしたしね。ちなみにキャラ造形の点で言えば、シュラトのヴィシュヌ=ビッグマム、インドラ=ザッハでしょうね。
漫画版はバカエロ8割、シリアス2割程度。OVA版はバカエロ9.5割、シリアス0.5割・・・。しかしアニメ版はバカエロ3割、シリアス7割で、しょうもない話も多かったですけど、ホロリと来るいい話なんかもあったり、色んな意味で意外性のある作品に仕上がっていたような気がします。何より、キャロットが繊細な好青年に見えましたし。
主人公のキャロットは魔法攻撃を受けると凶暴凶悪な獣に変身する能力を持ちます。獣化(怪物化)すると、それまでのキャロットの人格・理性は全て吹き飛び、獣の本能のままに全てを破壊しようと大暴れします(*マロンの方術などで元に戻る)。
また、ヒロインであるティラとショコラは、普段は可愛らしい女の子なんですが、戦闘時にはSMちっくな衣装に早着替えをします。 そうしてSM衣装にチェンジすると、あら不思議。性格も思考も女王様にカスタマイズされてしまうのです。衣装を変えることで、本当の自分を保ちつつ、全く違う自分に変化できるということです。魔女っ子の基本仕様みたいなもんですね。
この二つの設定はED主題歌『MASK』の歌詞の中でも見事に活かされておりますので、それを意識しながら聴くと『成る程!』と、歌詞内容を理解して頂けると思います。『MASK』もかなり素敵な名曲アニソンですので、また改めて紹介したいです!