『Give a reason』 (1996/4/24) キングレコード
作詞:有森聡美 作曲:佐藤英敏 歌:林原めぐみ
発売から10年経った今でも、色褪せることなくろむろむの心に響き続けるゴッドスペル(意味不明。アニメ・スレイヤーズNEXTのOP主題歌にして、その後のめぐみソング黄金期の先駆けとなった、林原めぐみの代表曲。それがこの『Give a reason』です。
*カップリングは奥井雅美『邪魔はさせない』
林原さんは、同スレイヤーズの主人公、リナ・インバース役の声優でもあります。林原さんは、当時から既に声優としては、充分なキャリアと非常に高い人気を誇っていましたが、このスレイヤーズという作品をきっかけにして、アーティストとしての認知度も急上昇していったと思います。
またスレイヤーズという作品は、小説売れまくり、アニメ大人気、主題歌大ヒット、映画化、CDドラマ化、漫画化、ゲーム化と、初期メディアミックスの寵児ここに極まれりという感じで、多方面に幅広く展開していました。
こうしたメディア展開があるたびに、林原さんは多くの主題歌を歌い上げ、オリコンに食い込みまくりました。スレイヤーズをきっかけにした一連の音楽活動の成功。それが後の声優として初のオリコンアルバムチャート3位(*アルバム『Bertemu』)にも繋がったんだろうな、と思います。
さて、スレイヤーズとは、中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界を舞台に、主人公リナ・インバース他、強烈な個性のキャラクター達が暴れまくる神坂一さんの大人気ファンタジー小説です。90年代後半のヲタ街道を突き抜けた方なら、まず知らない人はいないと思います。というかヲタじゃない普通の方でも『名前は知ってる!』という人はかなり多いのではないでしょうか。
超個人的なことですけど、神坂さんから頂いた年賀状は今でもろむろむの宝です。そして、未だに劇場版オマケの『ぴこぴこリナちゃん』を手に入れ損ねたことを悔やんでいるろむろむって・・・。
【スレイヤーズ(基本)あらすじ】
『ドラゴンもまたいで通る(ほど恐ろしい)』『盗賊殺し(ロバーズキラー)』の異名を持つ主人公:女魔術士リナ・インバースは、旅行く先々で悪党や盗賊を倒し、お金を巻き上げては、自由奔放な生活を謳歌していた。
ある時、お馬鹿な旅の剣士ガウリィ・ガブリエフと知り合い、自称保護者を名乗る彼に辟易しながらも二人で旅を続けていたが、リナ自身もそれと知らぬ間に、世界の危機に直面する大事件に巻き込まれてゆく事になる。正義の味方を目指す王女アメリアとキメラの魔法剣士ゼルガディスを仲間とし、強大な敵との戦いに挑むリナの運命は!?
【スレイヤーズNEXT あらすじ】
リナ・ガウリィ・アメリア・ゼルガディスの一行は相変わらず破天荒な旅を続けていた。ある事情からリナたちは伝説の魔導書『クレアバイブル』を探すことになるが、行く先々で赤眼の魔王シャブラニグドゥの手下が襲い掛かる。死ぬ気で魔物と闘いながらも、アイドルコスで歌唱、テニス対決、幻の食材探しなど、やっぱり好き放題なリナ一行。ギャグとシリアスのミックス率も抜群の一作。魔王の真意と、クレアバイブルの本当の意味とは!?リナの竜破斬(ドラグスレイブ)が闇を裂く!!
・・・とまあ、こんな感じでしょうか。
スレイヤーズは、ストーリーの面白さもさることながら、リナ以下全てのキャラクターが最高に生き生きしていて、一行を本気で応援したくなるほど(?)感情移入できました。特にリナ(cv.林原めぐみ)の性格が素晴らしいったらなかったです。
リナは大食漢でお金に目がなく、強くて情に厚い。更に『悪人に人権はない』を口癖にしている割に、お人よしで巻き込まれ型の人間です。 こうしたアクが強いが憎めない、どちらかというと人間らしくて可愛げのある性格がリナの一番の魅力であると思います。心も力も半端なく強い女の子が、思うままにめいいっぱい暴れまわるという設定にはもう、メロメロに惚れましたね(何。
仲間と波乱を起こしながらも、最後は力を合わせて敵を打ち倒すという展開にも熱いものを感じました。口先八丁手八丁。時には相手を騙しながら足元をすくい、油断したところを一気に叩く。正統派とはいえないやり方で、それでもがむしゃらに勝利をつかむところが主人公一行の非常に格好いい所です。
さて、本作の主題歌たる『Give a reason』について。
まず、これを歌っているのは紛いもなく『リナ・インバース』であることを再確認しましょう。『・・・リナ、かっこいいいいいあああああ!!!』という感じにスイッチが入り、最高に燃えます。
何かが生まれたような小さな音から、徐々に大きな音に変わり盛り上がっていく前奏。そして聞き覚えのあるサビの音が前奏に入り、林原さんの力強い声が入ります。
この『Give a reason』という曲は、林原さんの歌声が持つ『引力』のようなものを非常に強く感じる一曲であると思います。それはもう頭から丸ごと引っ張りこまれるような、すごい引力です。ハッと気が付いたら、林原&スレイヤーズの世界に頭のてっぺんから足の指先まで飲み込まれている自分がいます。10年経った今でも、一瞬でその世界に飛べてしまうんですから、この曲が持つパワーの凄さを改めて思い知らされます。
しかし、林原さんは歌声の中に感情を乗せることが上手いですねえ。歌声だけで、こんなにもはっきりと喜怒哀楽を伝えることが出来るなんて、流石は特一級の声優さんです。例えば2分13秒〜16秒のあたりとか、リナのにっこり笑顔がマジ浮かびます。2分40秒〜43秒とかは、無邪気に暴れてる感じでしょうか。
また歌詞自体の“熱さ”も魅力的です。自分を取り巻く冷たく厳しい世界。そこに生きる埋もれそうな自分には一体何が出来るのか。夢を掴むため、希望を捨てず、ひたすらに未来へ突っ走ることのかっこよさ。リナたちがどんなに絶望的な状況でも諦めず、力を合わせ、知恵を振り絞りながら戦っていた情景が、ガッツンガッツン浮かんできます。
リナは決して無敵じゃないですが、仲間といる時のリナは誰よりも強く頼もしくなります。その仲間達と未来へ向けて冒険を続ける『スレイヤーズ』という物語の楽しさや面白さのエッセンスがぎゅっと凝縮された歌詞であると思います。
曲は、サビの乗り方がこれ以上なくイケイケで、ワクワク感をこれでもかというぐらい煽られる構成になっています。サビへの持って行き方も憎いぐらいよく出来てます。もう、翻弄されるしかないですね。ほんと。
スレイヤーズは、ろむろむの心の作品です。そして、林原めぐみさんが神様だった頃がろむろむにはございました。という訳で、あまり客観性とか冷静さとか持てないレビューになってしまいましたが、大目に見て下さいませ。
だって今でもやっぱり大好きな作品と曲ですもん(おいおい。
スレイヤーズ・林原さん関連の曲はこんな調子でこれからもレビューしていきたいと思いますので、よろしくお願いします☆