2006年11月16日

君が空だった<美郷あき>

『君が空だった』(2004/11/26) ランティス

歌:美郷あき 歌詞:美郷あき 作・編曲:飯塚昌明


アニメ『舞−HIME』ED主題歌。
*今もこれからも舞−HIME関連の話題はネタバレ満載で突っ走ってしまいますので、ご容赦ください。。

舞−HIMEというアニメは、前半はほのぼの学園異能力物語(ギャグ&微エロ含)って感じなんですが、後半はシリアス学園異能力物語(激バトル&バトルロイヤル含)に豹変する恐ろしいアニメです。

(舞−HIME後半のあらすじ)
HIMEと呼ばれる主人公たちは、自分に絶対服従のチャイルドという怪物を一匹だけ呼び出す力を持つ。はじめはその力を、敵と思われる化け物(人を襲う化け物)を退治するために使い、時には共闘もしていた主人公と仲間たちだが、チャイルドが死んだら自分の大切な人がこの世から消滅すること、制限期間内に12人のHIME達のうち最後に残った一人にあらゆる願いを叶えられる力が与えられること、最後の一人が決まらなかったら世界が大災厄におそわれること・・・等、様々な事実が明らかになるにつれて、徐々に疑心暗鬼に陥り、バラバラになってしまう。果たしてこの運命を変えることができるのか!?大切な人の命を賭けたそれぞれの戦いが、来るべき終幕に向かって動き出す。

・・・と、まあこういう感じですかね。
前半毎日べったり仲良しだった舞衣と命が本気で殺しあったり、後半はもう『ええええええ!?!?!』ってな展開がてんこ盛りでたいへん楽しませていただきました。

当然なつきを狂ったように愛するあまり、チャイルドどころか人間まで殺めようとしちゃう静留とか、強大なチャイルドで敵を薙ぎ倒し(*想いが強いほどチャイルドは強くなる)、勢いづいてなつきに寝込みウハホイしちゃう静留とか、なつきに拒絶されたショックで心が壊れちゃう静留とか、なつきに仲直りの(?)キスされてもう死んでもイイ状態になる静留とか、後半は藤乃静留(と玖我なつき)の素晴らしい活躍が思いっきり堪能できるので、その点からも要チェックであります。

さて、いつもながら激しく前置きが長いですが、このED主題歌『君が空だった』は、前半のほのぼの→後半の殺し合いを含めて、どの回のエンディングに流れても不自然さがなかった万能曲だったと思います。

例えばアニメなどで殺伐とした展開の直後に能天気なED曲が流れたりすると、概して激しい脱力に見舞われたり、時には怒りさえ覚えたりするものですが、このエンディング曲はどんな時でも舞−HIMEにぴったりな感じが致しました。どんなにキツくてヤバイ展開の回でも、最後にこの曲を聴くと『次回を落ち着いて待とう』という気になるから不思議なものです。

『君が空だった』。この題名を見てわかるように、君を空にたとえ、君に想いを馳せていた時代は既に遠い昔のことになっています。かつては隣に並んで歩いていたけれど、ずっと一緒に歩き続けることはできなかった、大切だった誰か。この曲は、そんな大切な誰かと過ごした美しい日々を振り返りながらも、自分の選んだ道を真っ直ぐ進んでいく決意をする“強さ”を謳った歌だと思います。

うーむ。いかにも『舞−HIMEの世界』という感じがしますね。
物語の後半で主人公の舞衣は『自分の気持ちを信じること』の大切さにやっと気付き、自分が何がしたいのか、何を守りたいのかをようやく自覚します。そして、自分の意思と力で未来を選び取るのです。平和で楽しかった日々を失い、傷つきながらも、その傷に自ら向き合い、乗り越えていった力強い舞衣の姿が、この曲の向こう側に見えるようです。

ちなみに美郷あきさんは、この『君が空だった』で歌手デビューしました。

美郷さんの公式ホームページによると、美郷さんはデビューの一年ほど前にお父さんを亡くされ、その出来事を含めた『自分の底深い部分の気持ち』をこの曲に込めて歌ったということです。美郷さん自身の“想いの強さ”も、この曲には込められているんでしょうね。

2. TOMORROW’S TRUE
明るくハイテンポなテンションでありつつも、歌詞は軽く思い悩み風。いつだって楽しく満ち足りた時間を保っていくことは難しいけれど、誰もが持つ『願い』の力でそうあるように気持ちを向けていくことは出来る。だから明日をより良く変えていこう!!な感じの曲。明るい曲に、ちょっと暗めの歌詞という組み合わせが気に入りました。





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