歌:美郷あき 作詞:畑亜貴 作曲:宅見将典
PS2ゲーム『舞-HiME〜運命の系統樹〜』ED主題歌。
まず、『Silent wing』は<喪失>と<赦し>をテーマにした歌だと感じました。
基本的に『Silent wing』は、『運命の系統樹』のキャラクター達それぞれの結末を歌っているように思います。主人公が選ぶことで幸せを掴んだキャラクター、その影で涙を呑んだキャラクター。主人公が選んだために、ある結末へ突き進むしかなかったキャラクター・・・。自分が一番良いと思い、突き進んだ選択が、後に時に取り返しの付かない悲劇を呼ぶ。様々なキャラクターの生き様が浮かんでは消え、浮かんでは消えます。
人は、両方の手に持てない物は、結局いつかは手放してしまうものです。ですが、一番大切なものだけを両手に持って守り抜くことも、決して簡単なことではありません。たとえ大切なものを失ってしまっても、何かを自分の手で選びとらなければならない時があります。その時、片手に何を残し、何を手放すのか。
結果として、永遠に失われてしまった大切だったものを追憶し、その時、その選択を選ぶしかなかった自分自身を赦す。
美郷あきさんの熱情に満ちた歌声によって届けられる、この『Silent wing』のメッセージに、ろむろむは激しく胸を打ち抜かれ、同時にグサリと突き刺さるような痛みも感じました。
ああ、そういえばあの時、あの友達を大切にしたくて、あの友達の手を離しちゃったな・・・とか、どう考えてももう取り戻せないことだけど、一緒に居てすごく楽しかったときもあったなぁ・・・とか、今更ながら昔を思い出してしまったりしてしまいました。
『Silent wing』の歌詞は、ろむろむ大ファンの『畑亜貴』さんが担当、楽曲は宅見将典さんが提供しています。お二人ともいい仕事し過ぎです。畑亜貴さんの詩はろむろむの心を絡めとリ、宅見さんの切ない曲調はろむろむの脳髄をををを(略。お二人は奇跡のコンビネーションと云っても過言ではなかろうです。
カップリング『Goal to NEW WORLD』
『Silent wing』とは似ても似つかない元気で明るい曲。玉置成実が踊り出しそうな曲とでもいいましょうか。『Silent wing』を信奉しているろむろむとしては、よいオマケみたいな感じです。
<以下、激しく歪んだレビュー他>
アニメの舞-HiME(というか藤乃静留)にハマりにハマり、そのノリでゲームも購入。
主人公が転任してきた高校教師(♂)、義妹のような他人有り(オリジナルキャラ)という設定に一抹の不安を抱きつつ、ゲーム開始・・・(中略)・・・ゲーム終了。
ああ、ひどかった(爽やかな笑顔で)!!
このゲームは、舞-HiMEの基本設定と、キャラクター設定を借りた全く別種の『同人』みたいなもんです。それでどーやったらここまでダルいゲームにできるのか誰か教えて下さい(日常パートとか特にヤバ過ぎ)。
というか、藤乃静留に命かけてるろむろむとしましては、静留の絶叫・悲劇・悲痛・絶望が本当に可哀相で可哀相で、もうとても直視できない勢い。。静留役・進藤尚美さんの鬼気迫る熱演は大変素晴らしいものでしたが。(*進藤さんも、このアフレコの時感情が入りすぎて泣いてしまったとおっしゃってました)
しかしながら、その静留が心の底から愛する玖我なつきが異常なツンデレ(バカ)で、憤死。基本はへタレながら、決める時はこれ以上ないぐらいかっこよく決めるアニメ版なつきは何処に行ったのかしら。
また、アニメ・舞-HiMEの世界では、戦いに負けると、自分の一番大切な人が緑色の光になって消滅するんですけど、ゲーム版では消えたりしません。そのまんまの状態で死体がゴローンと放置されます。『なつきルート』の最後らへんでは、その設定が最悪な形で活かされていました。。
静留ヲタとしましては『命ルート』が一番マシでした。命ルートでは、ゲーム版の静留が『ある意味』両想いを迎え、『ある意味』幸せな結末を迎えられたと思います。
まあ、救いなんてどこにもないんですけど。
こんな感じで、どう楽しんだらいいのかさっぱりよくわからんゲームなのですが、オープニング主題歌、挿入歌、サントラ、エンディング主題歌だけは、もうエクセレントミラクルパーフェクトな仕上がりになっております。
オープニング主題歌は、ALI PLOJECT『阿修羅姫』。挿入歌・サウンドトラックは、『妖精帝国』。そしてエンディング主題歌が、今回のレビュー対象である美郷あきさんの『Silent wing』。
どれも個性的で、魅力に満ち溢れています。というか、ろむろむはこの『Silent wing』と出会えたことで、このゲームの非道さを全て許すことができました。この曲を生み出す土壌を作ってくれて、本当にありがとう系統樹!!
ろむろむの超妄想によると、この『Silent wing(特に2番目の歌詞)』は、なつきルート終了後数ヶ月経って正気に戻ったなつきの気持ちを歌った曲かな〜とかなんとか思っちゃったり。げにもすさまじきは、畑亜貴神の歌詞哉。