(2006/1/25) ソニーミュージックエンタテインメント
歌/SNoW 作詞/ 山野英明 作曲/進藤安三津
アニメ『地獄少女』OP主題歌。
かなり長い間、脳内リピートを楽しませてもらった一曲。しかも、サビ以外もフルで脳内リピート。あああ、なんだこの曲ううう。
この『逆さまの蝶』は、なんというか、聞く度にセピア色の思い出を揺さぶられるような中毒曲です。後半から終わりまで、ずっと同じサビがクルクル続くというのも要因かもしれませんが、何と言ってもこのメロディと歌詞!
何故かはわからないですが、ろむろむはこの曲を聴く度に、高校生だった頃を思い出してしまいます。友達とはしゃいだ放課後が、語り合った夢が、未来が、色々なことを考えた日々が、たくさんの小さな記憶の欠片がああああああ、落ち着け落ち着け。
という事で、改めて冷静にこの曲を聞いてみますと、まず『逆さまの蝶』の歌詞世界は地獄少女の物語とは、ほとんど関係ないことがわかります。
地獄少女について簡単なあらすじ解説。
殺したいほど憎い人間を、殺せない人間に代わって地獄(異界)に送ってくれる少女が『地獄少女(閻魔あい)』。地獄少女への依頼は基本的にインターネットで可能。地獄少女がオッケーを出せば、一体のワラ人形が依頼者に届けられる。ワラ人形の首のヒモを解けば、憎い相手はソッコー地獄行き。しかし代償として、ヒモを解いた人間も、死んだ後に地獄落ち決定。教訓*『人を呪わば穴二つ』
似ている系統の漫画として『スカイハイ』というものがありましたが、単純に面白さを比べるならば地獄少女<スカイハイ・・・かもです。というか、地獄少女は後味が悪い話が多過ぎるので個人的に好きになれないだけかも知れませんが。
そんな感じで、アニメは全体的にブラックな雰囲気に彩られています。
逆さまの蝶は、一つのJ−POPとして見ると、懐かしい記憶を掻き乱されるような良曲であるのですが、これをアニメソングとして見ると、さて、どうでしょうか?
想像力をフルパワー全開にして歌詞を読むと、『逆さまの蝶=誰しもが心の奥底に隠す歪み&黒い感情の象徴=閻魔あい』と、思えなくも無いです。更に地獄少女が基本的に一話完結(一話一主人公)方式であることを考えると、その主人公達『ひとりひとり』の人生なり感覚なり考えなりを肯定している歌に・・・見えなくもないです。
しかしながら、アニメのOPを最初に見たときも、やっぱり合ってるような、合ってないような微妙な気持ちになりました。閻魔あいの持つ、孤独や寂しさの気配を伝えようとする前半の映像まで(サビ直前まで)は、映像と曲が異様にマッチしていましたが、全体的に見ると、これはやはり『合っていないな』と思ってしまいます。
ろむろむは、例えアニメに合っていないような主題歌でも、その曲を聴いた瞬間に『あ、あのアニメの曲だ!』とパッと思い出せるような曲であれば、それはそれで意味があるアニソンだと思っています。
近年では、J−POPの世界で活動するような人が、アニメの主題歌を歌うという事象は、全く珍しいことではなくなりました。しかしそのことは、現在のアニメソング界、そして『アニメ』の世界全体にも、プラスとマイナスの影響を少なからず与えていると思います。ろむろむは、アニメとアニメソングの連帯関係を中心に考察を進めていく方なので、余計にそのことが気になります。
これついては、語れば語るほど長くなりそうなので、また別の機会に追及していきたいと思います。。
では、残りの2曲もみていきましょう。
2、『night light』
逆さまの蝶が妙なハードさを持っている曲なので、続けて聞くとほっとできる感じ。バランス取れてます。
3、『Bleach(English version) 』
全て英語詞。ものすごくネイティブの英語に聞こえます。外国人が歌ってるみたいです。というか、この曲控えめだけど、実際かなり聞かせます。こういう感じの曲、好きだなあ。。
(10/28追記)
記事見つけた!『アニメージュ2006年3月号』より
新しい詞は『地獄少女』のために書き下ろしたというわけではないんですよね。
『はい。アニメのスタッフの人たちが、完成した『逆さまの蝶』を気に入ってくださって、そのままOPとして使いたいということでした。(略)もともとこの曲は、高校時代の友達の女の子と過ごした日々のことを歌った曲なんですけど』
やはり高校時代の友達との時間を歌ってたのですね。ああ、あのもどかしくも美しい日々・・・。
他に、逆さまの蝶は3〜4年前にメロディを作ったもので、最初は違うタイトルで違う歌詞が付いていたらしいです。多少は、地獄少女との関連もあったのかな?と思いますが、本人は違うと云ってますし、どうなんでしょう?
記事によるとSNoWさんは、東京生まれのロサンゼル育ち。このCDがメジャー二枚目らしいです。英語がお見事なわけですね!