2009年06月01日

『傷だらけのツバサ』<IKEBUKURO>

『傷だらけのツバサ』(1996/11/7) ポニーキャニオン

作詞 池谷ひろ氏 作曲・編曲 藤尾領
歌:IKEBUKURO

アニメ『ハーメルンのバイオリン弾き』前期ED主題歌。
アニメ版ハーメルンといえば、原作とは完全に掛け離れた激シリアス展開と、独特の止め絵演出と、物議を醸し出した超最終回などにより、90年代中期の割りとカルトなアニメに位置づけられる作品でありました。

つーか、ハーメルンといえばサイザー様。そして、サイザー様といえばオカリナ(?)ですよね。いやあああ、アニメ版のサイザー様は、緒方恵美さんが声を当てられていて、サイザー様の儚さや危うい感じが倍々増しになっていました。アニメ最終話、オカリナが死に、ライエルと結ばれるという展開も普通になく、ひとりぼっちになってしまったサウザーはいずこともなく飛び去っていきます。サイザー様の孤高の美しさが感じられるそのシーンは全話の中でも屈指の名場面だったと思います。原作では途中から作者様の愛がサイザー様に過剰に傾きまくっていましたが、復讐に燃える悪の華のサイザー様を推している私にしたら、賛否両論あったアニメの“賛”にすごい勢いで傾いてしまうのも無理ないことです。。あ、サイザー様とオカリナの熱い絆については原作を読んでいただければ・・・。

さて、サイザー様の話しは良いとして、ハーメルンの主題歌はOPもEDも、前期と後期でまったく毛色の違う音楽が採用されていました。特にOPは、前期は変なアイドルが“マンマンマジカルララランラビリイイイインスウウウウイイィ!!!”とか歌ってたのに、後期は本物の男性オペラ歌手が“分かり合うより信じ合える方がいい その心ばえ激しいままでいてくれ”とか、宇宙戦艦ヤマト級に物々しい長重量級の歌声を響かせていて、思わず笑ってしまった記憶が・・・(しかもOP映像は使い回しとか)。

EDも同じく、前期の“傷だらけのツバサ”は少年漫画チックな熱さを感じさせる男性のボーカルでしたが、後期は妖艶なオトナのオンナを前面に出してきたような感じの曲で、前期とまるで正反対のものが置かれたことにやや戸惑いというか、違和感はありましたね。

傷だらけのツバサは、ギターをギュインギュインとかき鳴らしまくってるのもカッコいいんですが、やはりやや漫画チックながらも、倒れても絶対終わらねえ!!傷ついてもあきらめねえ!!という、ある種のヒロイズムをストレートにぶつけてくるような歌詞が実に良いものだと思います。アニメのシリアス系ハーメルの生き方にもどこかリンクするような印象も受けます。最後の方のハーメルは魔族化が進みまくって、まんま化け物状態になりつつ、それでも世界やらフルートやらの為にボロボロの翼を広げて戦っていましたし、その辺のシーンを思い浮かべれば、更に物語への感情移入も進むってなモンです。

“傷だらけのツバサ 広げたまま闇夜を駆ける 倒れても 倒れても 確かなものが見たいから”

あとは、中盤の奇怪なラップさえなければ尚の事良かったかもしれませんが・・・。まあ、あれは慣れればなんとでも。あと、カップリング曲はかなり電波入ってて、正直どうしようかと思いました。





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