2008年07月13日

『瞳の欠片/Nowhere』<FictionJunction YUUKA>

『瞳の欠片/Nowhere』(2004/5/8)ビクター
作詞・作曲・編曲:梶浦由記
歌:FictionJunction YUUKA

アニメ『MADLAX』OP主題歌&挿入歌。

何が何だかわからないうちに、スッゲー遠いところまで魂を持っていかれちゃう・・・。梶浦ワールド炸裂の超楽曲である本作ですが、ヲタ的な知名度なら、通称“ヤンマーニ”ことアニメ挿入歌『Nowhere』断トツでございましょうか?個人的には、哀愁漂うOP『瞳の欠片』の方がお気に入りなんですけどね。

1、瞳の欠片

最終話まで観てないとわかんないことなので言っちゃいますけど『私は貴方の欠片 貴方の胸へ帰りたいだけ』という、このサビ直前の歌詞は物語最大級の伏線ネタバレに当たります。いやー、まさか歌詞の中にこんな爆弾を埋めていくとは、さすが梶浦先生(と真下監督)。侮れませんね。ってか絶対気ィ付かNEEEE!!!他にも“閉じた本の中眠ってる 想い出という名のパンドラの宝石”など、12年より昔の記憶を完全になくしている少女、マーガレットのことを指しているような歌詞もあって、面白いです。

2番はじめのメロ歌詞“昨日散った花びらを惜しんで泣いた”などは、基本的に無感動・無感情なマドラックスが、他者との関わりの中で時折見せる、わずかな心の動きを例えたような気がしてなりません。

南里侑香さんの切なさ極まる歌いっぷりもたまりません。梶浦先生的には“泣き”の歌声とおっしゃるみたいですね。心の深い場所からしぼり出されたような、溢れる情感が、その声には込められているように思います。皮膚の下までゆっくりと染み込んで来る様な音の響きが、何とも言えず病み付きになるのでございます。南里さんの歌唱力の高さを改めて認識できる作品であります。



2、Nowhere

“Nowhere”について、梶浦先生は『この曲はMADLAXの世界を強く意識して作った曲です』と述べておられます。現にこの曲は、アニメの作中で主人公が人外級の乱闘おっぱじめる時には、BGMとして必ず使用されていましたし、まさに主人公・マドラックスの為だけにある(無敵な)イメージソングと云っても過言ではないでしょう。第一話で、飛行機から華麗に飛び降りるマドラックスに合わせてヤンマーニが流れ出したときは、思わず笑ってしまいましたが、思えばそのとき既に私は先生の術中に嵌っていたのかもしれません(マジか。

ちなみに“ヤンマーニ”というのは、“Nowhere”の前奏やバックに延々と流れている謎の女性コーラスが『ヤンマーニ』と云っているように聴こえる・・・という説から来ています。実際に何を云っているのかは未だに謎であり、梶浦先生もお好きなように解釈してくださいと言明を避けています。一度、ニュータイプ紙上であるスタッフが『あれは、ヤンマーイと言っている。関係者に聞いた』とかなんとか言い出してプチ騒動(?)になりましたが、それもその後否定され、真実は闇の中となってしまいました。まあ、私は別に何でもいいような気もするんですけど、それほどまでにこの曲に心を奪われた人がたくさんいるということなんでしょうね。

ヤンマーニに気をとられてしまいがちですが、南里さんのディープなボーカルはこちらでも絶好調。2:00〜からの多重ハモり圧巻の一言。特異なコーラス駆け抜けるようなボーカル。自由奔放でエキセントリックに見えつつも、それらを完璧に計算して作り上げた梶浦先生の手腕も見事と言う外ありません。

“貴方は私が何処にもいないと思ってる”

自分が何なのかわからない。何者なのかわからない。それは、マドラックスやマーガレットが自分自身に抱いていた不信感不安感です。しかし、貴方が瞳をそらさずに私を見て、私を認識して、私の名前を呼び、私を覚えてくれるなら、私は“そこにいる”ということを証明できるのです。存在の証明・・・がテーマの一つにあった(と思われる)本作に問いかけるような、一節だと思います。



<MADLAX簡単あらすじ>
国王派と、反政府ゲリラの衝突により、内戦状態が続くガザッソニカ王国。そこで暗躍する雇われエージェント“MADLAX”。見た目は、優しげな表情をした少女だが、強力無比な身体能力をその身に宿し、冷徹に依頼をこなすことで、その名をガザッソニカに知らしめていた。ところ変わって、平和な先進国ナフレスでお嬢様として暮らしていた少女、マーガレット・バートンは、ある時屋敷で赤い本を見つける。それは結果的に、12年より前の記憶をすべて失っていたマーガレットを突き動かすこととなる。そして、ふたりの少女の運命は、少しずつ絡み合ってゆくことになるのだが・・・。


ハードボイルドでSFで真下監督。・・・もう、この時点で誰にも止められない感じがゆんゆん致しますね。作品的には、NOIRよりも難解で、若干敷居が高いです。最後の方の展開はもう手がつけられなくないフライデー・マンデー状態になってましたが、それを含めて受け入れられる度量の広さが視聴者に求められると思います。私?私も、もう途中からかなりテキトーに(略。

百合的には、マドラックスを執拗に追い掛け回すこわいひと“リメルダ”とか、マーガレットお嬢様の為なら粉骨砕身なメイド“エリノア”といったキャラがポイントですね。ろむろむ的には、エリノアさんの私が必ずお嬢様を守る!ってな、一途さがSUGEEEEEツボでございました。

しかしエリノアファンとしてあの展開(24話、献心 -hearts-)だけはちょっともう、どおおおしよう・・・って感じで、アアアア。だって、最終回めでたく終わっても、マーガレットみたいなぼんやりした子がエリノアの支え無しにマジでやっていけるとは思えないんですもん。最高の百合忠誠の回としては、なかなか見ごたえがありましたが、釈然としないものが残りました。それはともかく、お嬢様のおはようからお休みまで暮らしを見つめ続け、最後にはお嬢様の本当の心を引き戻すことに成功したエリノアの想いだけは、まごう事なき真実の愛情であったと思います。



<メルフォお返事>
>東方関連拍手の方(すいません、こんな呼び方で)

どうもどうも!!こんばんはでございます。貴方のお陰でアレンジのレビューも書いちゃおうヒャッホウ!!ってな感じになりましたので、背中を押して下さったことに、改めて感謝いたします。そして、なななんと!!貴方もアリマリ派でございましたか!!いやー、偶然ですね〜。最近は、アリス絡みならはどれもこれも好き好き状態(末期)に陥ってる感じですが、やっぱり魔理沙とのCPが一番ツボです(次点霊夢)。私のあんな意味不明な同人レヌーでも、シンクロしていただける部分があったなら、幸いです。むしろホッとしました。あと、アレンジCD情報もありがとうございました。参考に致します!

あ、それからアドベント〜は、ろむろむちょっと本気出してゲットしちゃいました!!前後の話がさすがにわかりませんでしたけど、非常に美味しいラブラブパワーを堪能させていただきました(何!!ご紹介ありがとうございました!弱ってるくせに心配性なアリスと、それを必死に支えようと頑張る魔理沙の関係がすごく良かったです。

私も、アリマリファイアーな同志として(?)、貴方の本をいつかご拝見する日を楽しみに待っております。それでは、コメント、本当にありがとうございました。今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。


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この記事へのコメント
すみませんすみませんといきなり冒頭から謝りっぱなしの
ユリミテです。いや、ほんと色々とすみませんでした(汗

さて、MADLAXきましたね。
すごいなぁ、観察眼といいますか洞察力。
つかあれ「ヤンマーニ」以外どう頑張っても聞こえませんがw
エリノアは最後まで母のような無償の愛情を注いでいましたよね。いや、母というより姉妹に近い感情かも。
たぶんエリノアは家族を失ったマーガレットの本当の
家族(心の支え)になってあげたかったんだろうなと。

それとですね、やっぱり私はこわいひとが大好きです(笑)
なんでしょうね、最初は自身の仕事上マドラックスを
付け狙っていたわけですが、もう途中から別の意味で狙って
いましたよね(笑)

あの妄想力さすがでございます。つかこれじゃまるで告白
じゃないとのたまわれたあのセリフですが、そう解釈できる
あなた(リメルダ)の妄想力ってかなりストーカーのそれに
近いのではないかなと、画面をみながらこの人本当にこわい
ひとだと思ったのはここだけの話でw
Posted by ユリミテ at 2008年07月20日 23:12
それと私がこのMADLAXで一番好きなシーンは第14話の
リメルダが見せる憂いと喜びです。
超人的な暗殺者であるマドラックスが、無防備にも夜の街を
徘徊し、リメルダの存在にすら気がつかないという状態。
街も人も寝静まった深夜、リメルダのカウントだけが静かに
響いて。1、2、3、4、5、6、7バーン。
最初にどうして彼女は数字を数えているのだろうと疑問に
感じるのですが、次の瞬間、銃をかまえる格好で実際に
銃はもたずに照準を合わせている行動が目に映り、ようやく
そこで視聴者は本来なら「7回は(銃撃で)殺されている」
であろうマドラックスの奇異な行動をより胸に刻み込む
ことになっているという話。
空の銃はリメルダのマドラックスに対する「殺す価値が
なくなった」=「自分を燃え上がらせる存在ではなくなった」
喪失感、空になっているのは銃だけではなく、リメルダの
心を映してもいるのだなと。
でも次の瞬間ヴァネッサがマドラックスの前に立ちはだかって彼女を守ろうとした時のリメルダの言葉は、心のそこから
沸いてきたものなのだろうなと。つまり「じゃまなのよあなた」と、自分とマドラックスの邪魔をする無粋なヴァネッサ
にマジ切れしてみせたリメルダがGJでした(笑)

そしてそしてマドラックスがようやく正気に戻り、元の
スーパー暗殺者に戻った時のリメルダの喜びが手に取るようにわかるあの表情、かなり萌えでした。
と、リメマドについてかなり熱く語ってしまいすみませんと、最後も謝りの言葉でシメ。
Posted by ユリミテ at 2008年07月20日 23:13
それともうひとつ

>貴方が瞳をそらさずに私を見て、私を認識して、私の名前を呼び、私を覚えてくれるなら、私は“そこにいる”ということを証明できるのです

ここ!これ素晴らしいです!
アニメをじっくりと見た上で、さらにこの曲を
じっくりと聴くことによって導かれるファイナルアンサー
かと。
で、しつこいようですがリメマド派の私から見させて
もらいますと、この一節はやはりマドラックスがリメルダ
に伝えたあの言葉に重なる気がするのです。
そうです「あなたの中に私をいさせて」というあのくだりです。
もう、悶えます。
たとえ一人でも自分の存在を覚えていてくれる人がいた
なら、確かに私はそこにいたのだという存在証明に
なるのだと。リメルダはそれを究極の告白と受け取りましたがwあれ、冷静にみると別に愛の告白って訳じゃないですよねw
そう、つまりはリメルダの妄想。
私をここまで熱くさせたのはあなたが始めてよ状態の
リメルダさんのストーカーなみの妄想であるといっても
過言ではないかと(笑)
だって実際マドラックスはリメルダに愛を感じていたかと
いうと、たぶんそれはないだろうなとwでもリメルダは
完璧にマドラックスを愛していたし、自分もマドラックスに
愛されていると確信していた。しかしそれこそが妄信と
いう痛い百合ですねwでもそんなリメマドが好きだー!
と、3レス汚し失礼しました…
Posted by ユリミテ at 2008年07月20日 23:25
どうもどうも!お久しぶりです!!
いえいえ、こちらこそ、改めてよろしくお願いします。

真下アニメの百合は目を凝らして、初めてその旨さがわかる・・・って感じですよね〜。
ってか、難解なアニメを妄想で解読しまくっちゃったので、ちゃんと観察できてるのか不安でしたが、そうおっしゃっていただけて安心致しました!!私、NOIRほどMADLAXにドップリ嵌れなかったんですけど、百合的にはなかなか見所が多かったですね〜。OPを見る度に、マドラックス×マーガレットはいつ来るのかしら・・・と思ってたもんですけど、全然違いましたね。まさかほんとに、私はあなたの欠片〜だったとは・・・。サブキャラと主人公達をめぐる(恋の?)駆け引きがメインだったなんて、誰が想像したことでしょう。。

エリノアの献身は、本当に凄かったと思います。KEYのさくらちゃん級ですね(ラストも!!)。
子供エリノアは、おじいさまに『お嬢様を頼む・・・』とか遺言されてましたけど、この遺言があってもなくても、エリノアはお嬢様とずっと一緒に居て、ずっと守り続けて、ユリミテさんのおっしゃる通り、お嬢様の“心の支え”として“家族”になれる日を望み続けていたと思います。どんなに陰口を叩かれても、誰に傷つけられても、ラリったお嬢様から『あなた誰?』とか言われたとしても、決して揺るがない献身。はじめから見返りを求めてなどいない、心からの愛情。それを見せてくれたエリノアには、最高の賛美を贈りたいです。
Posted by ろむろむ at 2008年07月24日 22:52
ユリミテさん爆推しのこわいひとは、なんかもー(マドラックスラブラブ&ロックオンモード☆に入ってから)めちゃめちゃキャラが立ちまくってましたよね。『まるで告白じゃない・・・』とか、見てるこっちが“えええええええ!?!”と思ってしまうぐらいの、超解釈でした。マドラックスも大変な人に惚れられてしまったものですね。。14話のあかん子マドラックスを、いつでも殺せるのよ殺さないけどいいから早くいつものあなたに戻ってキエエエエー何なのあの女アアア・・・ってな感じで、クールを決めながら穴が開くほど見つめまくるストーキングリメルダさん・・・。でも『もう、あの子じゃない』という独り言の台詞がすごく哀しげだったのが印象的でした。追う恋に燃えるリメルダさんを止めることは誰にも出来ないのでしょう。。

(来るもの拒まず去るもの追わずな)マドラックスのリメルダさんへの感情が、『こわいひと』から『あなたのなかに〜』まで変化を見せたのは相当の進歩だったと思いますが、それが恋だったかといわれれば、私もちょっと違和感があります。でも、何も無いマドラックスがリメルダに自分自身の存在を、確かめるように言葉にしたのには、やはり大きな意味があったんでしょうね。妄想ばく進のリメルダさんにとっては『告白ヒャッホオオ〜』って感じだったんでしょうけど、マドラックスにとっては違っていたと。。まあ、リメルダさんは空回りを空回りと認識していないパワフルな方ですので、どこまでも(ノリノリで)マドラックスを追いかけ続けるんでしょうなああ〜。
Posted by ろむろむ at 2008年07月24日 22:54