2008年05月27日

『蓬莱人形 〜Dolls In Psuedo Paradise』<上海アリス幻樂団>

『蓬莱人形 〜Dolls In Psuedo Paradise』(2002/12/30)

作編曲:ZUN

〜それは人間と妖怪の新しい関係だった〜(アルバム帯より)

弾幕系(シューティング)同人ゲーム『東方Project』で、ゲーム中に流れているBGMなどを集めたサウンドトラック作品。と、思いきや、ZUN氏の音楽CDの第一弾としてリリースされたらしい一枚。上海アリス幻樂団は、神主ことZUN氏個人サークルであり、ZUN氏がゲーム製作・イラスト・サントラ作りをすべて一人で行っているそうです。1996年から活動を開始し、2008年現在では同人界においてカルト的な人気を誇るジャンルにまで成長しました。


Q、同人って何!?普通のと何が違うの!?

なんか前も説明したような気がしますが、改めてテキトーに。
同人とは、簡単に言えば商業モノの逆です。同人によって作られた商品は、流通ルートが非常に限られており、コミックマーケット同人専門の店などでないと、なかなか手に入りません。普通のCDショップとか本屋とか、アマゾンとかではほとんど買えないっつーことです。

同人モノは、元々ある原作を自分なりに解釈して、妄想爆発の同人誌などを作り出す2次創作タイプのものと、自分自身が1次創作者になって作品を作り出すタイプ(例*ひぐらし・昔のサンホラetc)の2種に大別されます。東方は後者に分類されますね。自分の好きなもの、自分の表現したいものを、トコトン追及できる代わりに、たとえ失敗しても誰も助けてくれないですし(失敗例*借金してまで同人誌刷りまくったのに、全然売れずに大赤字)、時代の波に取り残されるとそこで終わってしまう・・・という厳しさもあります。

商業モノは、ぶっちゃけ売れないと話になりません。売れなければご飯が食べれず会社は倒れ従業員は路頭に迷います。だから、商業ではプロデューサー責任ある人が、作品の方向性をリサーチし、改善し、より収益を上げるためにどのような展開をしていくかを常に考えているのです。例えば、売れない歌手は2、3曲で切り捨てられたりしますし、売れセンの歌手を育てるために、売れセンの歌が周到に用意されたりするのです。その代わり売れるという勝算があれば、たとえ何度か失敗しても、会社が後ろ盾となって助けてくれます。これは良い悪いの話ではなく、そうでないと“商売”は成り立たないというだけの話です。

またチョサク権の厳しさも同人と商業では大変な差があります。商業で同人をやる時は、あまり目立ちすぎないように・・・というのは基本スタンスでしょう。フジコキャラでスパロボ同人ゲーを作ったが為に、大きな力でふっ飛ばされてしまったサークルもありましたね。その点、東方などは(同人に限り)二次創作活動を公に認めているなど、稀に見る柔軟な対応が為されています。東方がここまで大きく発展したのは、同人活動を認めたから〜・・・という意見もよく耳に致します。


・・・ということで、この“東方Project”は、ゲーム、音楽、同人誌、漫画と、様々な同人ジャンル(一部商業)隆盛を誇っており、同人界、3歩歩けば“東方”に当たるっつーぐらいで、その人気には凄まじいものがあります。。私自身は百合を探してるうちに辿りついた・・・って感じですね。百合絵を探しまくるうちに、幻想郷への道が開けました。友人に東方関連グッズを贈られたのは最近ですが、1年半ほど前から百合限定で物件探しはしていたり・・・。登場人物の9割以上が少女ってトコからして、百合的に美味しすぎます。ホントZUN氏は現代のヘンリー・ダーガーだぜ(待。

元々ZUN氏は、自分で作った音楽作品を発表したくて、活動を始めたようですが、色々あってそれがゲームとなり、結果的にゲームミュージックを作り上げることにも繋がったようです。最初に“音楽”があって、その発表の方法論として“ゲーム”という手法が用いられたということです。

ZUN氏のインタビューにも『ゲームミュージックを作りたくて、仕事にもしてみたかったんです。それで音楽の勉強して、作って。でも、それがゲームに流れるアテはない。だったら、自分の音楽がゲームに流れるように自分でゲームを作ってしまおう。その感覚が最初です。』とありました。まさに卵が先か、鶏が先かって感じですね(?。

ゲームのヒットと、同人界隈の盛り上がり。加えて、この原曲を自分なりに加工&アレンジしたり、時にはボーカルまで自分達で付けて歌ってしまう“東方アレンジ”という同人ジャンルの躍進によって、若干特殊ですが、東方は“音楽”の面でも成功を収めたと云えます。

この『蓬莱人形』という音楽作品は、最初にCD−ROMで発売されたときには、ホラーっぽいSF仕立てのSS(ショートストーリー)が付いていたらしいですが、現在は不思議系のSSに変わっています。東方の舞台である“幻想卿”に居た“8人の正直者の人間”がひとりずつ妖怪(?)に惨殺されてゆく・・・というストーリーだったようです。このストーリーに絡めた意味もあったのか、11曲目“U.N.オーエンは彼女なのか?”は、アガサ・クリスティの超有名小説(孤島に集められた人が一人ずつ死んでいくアレ)の登場人物オーエンに引っ掛けていたりしています。 

現在は、付属のブックレット(つーか一枚紙)に、東方のキャラクターを思い起こさせるようなキーワードが散りばめられた、各曲の解説っぽい3〜4行の短文が書いてあります。

さて、肝心の曲なのですが、オール打ち込み電子音ということもあり、私の耳にはすべて同じピロピロ音に聞こえました。。私自身が、今までゲームミュージックの類にほとんど触れてこなかったから、慣れてないってのもあるかもしれませんし、ゲーム自体をちょびっとしかやってないので、曲に対する思い入れが皆無というのもあるかもしれません。

・・・うーーむむ。。やはりすべてが電子音の音楽ってのは、集中して聴けば聴くほどに、どうしても疲れる瞬間とゆーものがやってくるもので、続けて聴くには若干キツイものがありました。ゲームプレイ中に聴くのと、CD単体として聴くのはまた違うものですからね。

ZUN氏はインタビューで“姫神(*東北の民族文化を下敷きにし、シンセサイザーによる独特の演奏で、幻想的な音楽を作り上げたグループ”や、ワールドミュージックなどを愛好していると語っていましたが、確かに最初に耳にしたときは、ファミコンのBGMに、“民族音楽系”の雰囲気を漂わせたような感じだな〜という印象を受けました。

また、“曲に合うキャラクター・合わないキャラクター”なども、意識しつつ曲作り(=ゲーム作り)をされているようです。東方にとっての“音楽”とはゲームの構成にも激しく関連する、非常に重要なファクターなのでありましょう。

以下、テキトー過ぎるレビュー。

1.蓬莱伝説
2.二色蓮花蝶 〜 Red and White
最初から最後まで、ハイテンポ・ハイテンションで突き進む楽曲。ちょっとF1っぽい(?。副題の“Red and White”は、東方の主人公キャラの一人“博麗霊夢(紅白の巫女服着用)”のことを指している。
3.桜花之恋塚 〜 Japanese Flower
4.明治十七年の上海アリス
サビに向かって少しずつ盛り上がっていくタイプの曲。時間が狂っていくような怪しいタメ(1:33〜1:55)が微妙に気になる。
5.東方怪奇談

6.エニグマティクドール
サビの盛り上がり方が独特で、聞き応えがある。 1分04秒からのサビと1分43秒からのサビでは、アレンジが全く異なっている。後者のゴージャスな感じのサビがなかなかにステキ。
7.サーカスレヴァリエ
8.人形の森
9.Witch of Love Potion
10.リーインカーネイション

11.U.N.オーエンは彼女なのか?
アルバム中で、多分最もキャッチーな一曲。不安定に揺れ動く、起伏に富んだ曲展開が面白い。U.N.オーエン→誰ともわからないもの・・・ということで、敵キャラの一人“フランドール・スカーレット(吸血鬼)”を指しているようです。
12.永遠の巫女
13.空飛ぶ巫女の不思議な毎日
全体的になんか思わせぶりな曲調。サビが微妙に切なげに・・・聴こえなくもない。

(↓)こんな感じのゲーム。使用楽曲は“U.N.オーエンは彼女なのか?”






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