2007年10月08日

『神無月の巫女 オリジナルサウンドトラック』レビュー

*Destiny Of Shrine Maiden Original Sound Track
Composed and Arranged by窪田ミナ



『姫子と千歌音の愛と哀しみ、そしてどうする事もできない運命に立ち向かう登場人物たちの姿』

監督から伝えられたこの『神無月の巫女』という作品のテーマを元に、窪田ミナさんはこのサントラを作られたそうです。ロボの熱いバトルから、少女同士の繊細な心の機微までを多様に表現した楽曲が、オーケストレーション・ピアノ・尺八など多彩な楽器によって彩られ、作品に見事な花を添えていると思います。

『10月→神無月→神無月の巫女』という訳で、私の脳内にある誰も知らない社が疼き始め、またユリミテさんの処で開催されている『神無月の巫女祭り2007』に感銘を受けましたので、今回は神無月の巫女のオリジナルサウンドトラックレビューを気合爆発で書かせて頂きたいと思います。

思えば、神無月の巫女も放送開始から既に3年。私も勿論のこと、未だ熱いファンは各地でご健在のことだと思います。07年には、京四郎と永遠の〜とかいうアニメ作品も作られ、(内容はともかく&脇役といえど)姫千歌ヲタには外せない外伝物語を観る事が出来、嬉しい気持ちになったりもしました。しかし、やはり私の心の故郷は『神無月の巫女』でしか、ないのであります。深夜とはいえ、極上のガールズラブ本気の百合魂を真正面から見せてくれた本作に敬意を表し、作品を振りかえりつつ、サントラの世界を堪能してみましょう!!



1、神無月の巫女

『神無月の巫女』という作品世界すべてを象徴する唯一無ニのテーマソング。このBGMを抜きにして、神無月の巫女を語るわけにはいきません。艶やかに咲いた花が、風に揺られて儚く散っていくような・・・あまりにも美しく哀しげな曲です。この曲は、作品全編に渡り、様々なアレンジを以って存在しています。窪田さんによると、BGM作品を作るにあたって、最初に出来た曲がこの楽曲だそうです。二人の少女の戦い、愛、そして結末。『神無月の巫女』の始まりと終わりが、この曲の中にに閉じ込められています。

1話、薔薇の花園にもぐりこんだ姫子が、千歌音ちゃんと逢瀬をするシーン。何でもない自分と、どうして多忙で魅力に溢れる千歌音ちゃんが一緒に居てくれるのかと疑問を投げかける姫子と、自分は凄くも何ともないと目を伏せる千歌音ちゃん。
7話、ソウマと姫子のキスシーンを見て、前世の記憶が覚醒。姫子の為、一つの決断をする千歌音ちゃん。
9話、姿を消した千歌音の夢(幻)を見る姫子。あれだけのことの後でも、心の底で求めるのはたった一人の面影なのです。
12話、『私、千歌音ちゃんのことずっと独りぼっちにしてたんだね・・・』姫子のミラクル大告白シーンにて。『私、千歌音ちゃんの姫子になりたい』姫子からの告白に声を上げて涙する千歌音ちゃん。千歌音ちゃんの“本当”をすべて受け止めた姫子の、嘘偽り無い“本当”の気持ちが垣間見えます。

2、サブタイトル

3、ソウマの戦い〜君を護るために
バトルシーンにおいては、最も印象的な楽曲。ロボバトル曲とはいえ、激しさの中に気品を忘れないあたり好感が持てます。

1話、ソウマが倒れ、シスター初登場。
ソウマの姫子を守る宣言と、それと全く関係無しにファーストキス決める千歌音ちゃん&姫子。最終話における三人の関係は、1話から既に伏線として登場していた訳です。
10話、ロボ最終決戦。姫子のために、ソウマが道を作ることを決意。
12話、名言『俺に出来ることは、せいぜい地球を守ることだけ〜』の少し前。

4、姫子のテーマ
姫子の穏やかさと、心優しさを表しているかのような一曲。

1話、姫子のモノローグ『月には、誰も知らない社があるの・・・』にて使用。

5、悲しみの果て
ピアノによって紡がれるこの曲は、夜の海のように静かで、月の明かりのように怜悧寂しげな光を放っています。千歌音ちゃんの、姫子を愛するが故の、自分を押し殺した優しさと、その悲しみが浮かんでくるかのような作品です。

3話、儀式失敗で自分を責める姫子を励ますため、二人で海を見に行くシーン。2枚貝はピッタリ合うのは一組しかない・・・でも一組は必ずある。それは人も同じだと話す千歌音ちゃん。『姫子にも居るのよ。世界のどこかに姫子を、姫子だけを待っている人が。ただ一人の人が。必ず。』姫子がその人と会えるまで守る。と優しく話す千歌音ちゃん。千歌音ちゃん・・・優しいけど哀しすぎます。
5話、回想シーン。『でも、姫子と話したかった。姫子のまっすぐな笑顔が欲しかった。そのためならどんなことでもした。姫子と一緒に過ごす。ただそれだけで、嬉しかったから・・・なのに・・』姫子の幸せ為なら、なんでも出来る。なんでもしたいと思っていたのに、姫子が他の誰かのものになるかもしれないと思った瞬間に、姫子を求める自分を自覚してしまう、苦悩のシーンです。

6、暗黒の闇の中で
古代における“神性”のようなものをイメージさせる一曲。尺八が印象的です。

1話、オロチ覚醒復活シーンにて。
2話、自分達の宿命を、カズキ兄さんに教えてもらうシーン
衝撃の8話、欲しいものを手に入れるためにオロチになったと告げた千歌音ちゃんが、姫子を衝動的に押し倒す。押し倒して、容赦なくオロチの力を発揮しながらも、痛々しく辛そうな表情を浮かべていることに注目。
10話、一人で儀式を決行し、成功させる姫子。最後に力を込める瞬間に、脳裏によぎったのは・・・。


7、千歌音のテーマ

1番目の楽曲『神無月の巫女』をベースにした千歌音ちゃんのテーマソング。原曲よりも、優美さ華麗さ、そして運命に抗おうとするかのような力強さが感じられます。しかし全体を聞くと、彼方の愛に焦がれながらもがき苦しむ、千歌音ちゃんの悲壮な想いが浮かんでくるようです。

1話、まこちゃんが宮様を褒め称えるシーンにて。
2話、学校に向かうキラキラ千歌音ちゃんを憧憬の眼差しで見つめる姫子。姫子とソウマの(『これからだって必ず守るよ』)やりとりを冷たい眼差しで・・。
8話、姫子側からの出会いの回想。『その眼差しを前に、私は胸が高まり、息も出来ないほどの衝撃と感動が私の心をいっぱいに満たしていきました』姫子が見た千歌音ちゃんのキラキラッぷりが凄まじいです。姫子と千歌音ちゃんは、お互いが一番素敵だと信じているラブラブップルです(何。
8話、千歌音へのプレゼントに、月のアクセサリーを作ってもらう姫子。

8、あたたかな光
優しく柔らかなバイオリンの音色に心を癒されます。姫子の純粋な優しさ、千歌音ちゃんの優美さを表現しているように感じました。

9、ガラスの花
遠くから見ている分には勿体ないほどに美しく、でも手に触れれば粉々に砕けてしまうかもしれない、繊細なガラスの花。大切すぎて手を伸ばすことも憚られてしまう存在、千歌音ちゃんも姫子もお互いをそんな風に大切に思いながら、知らず知らず溝を作り、相手を傷つけてしまうのです。

2話、姫子を連れ戻すシーンにて。自分が月の巫女だと告げるシーン。『姫子と一緒に戦いたい、姫子を守りたいの』ここで戦おうと力強く云う。
3話、千歌音ちゃんと一緒にお風呂に入ってドキドキしながら、脳内で褒めたたたえまくる姫子『女の子のあたしが見たってうっとりするぐらいだけど・・・変なのかな私』
4話、姫子に手を払いのけられたことを、気にしない振りしてめちゃめちゃ気にして傷ついてる千歌音ちゃん。そして、姫子を遊園地に自分で進めて行かせておきながら、激しく傷つき、追い縋ろうとする自分を、必死でこらえるのです(悲。
6話、千歌音ちゃん『何かを欲しいなんて思うことなんて一度もなかった』からはじまる二人の出会いの回想(モノローグ。

10、迷い
4話、大神に遊園地に誘われてとまどう姫子
6話、姫子に振り払われた記憶にとまどい、ソウマに煽られたこともあり、とにかく姫子を守る力を手に入れたいと焦る千歌音ちゃん。『あと少しで、あなたを守ることが出来るの。誰の力を借りなくても、あなたを』

11、鳴神
派手な戦闘シーンには持って来いの攻撃的な曲。時折入る尺八が、これまたいい味を出しています。

ネココ襲来。
ソウマロボ初登場。手のひらに姫子を乗せる。等

12、運命の糸
ハープ一本。繊細なハープの音色が、運命を紡ぐ糸が揺れるイメージをかきたてます。

以下、続きます!
しかし、神無月の巫女を知らない人にとっては、何を言っているかマジで意味不明でしょうね(話の内容も)。。とりあえずスイマセン。でもお許しください★

<拍手お返事>
10月7日、拍手×1の方、ありがとうございます!


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この記事へのコメント
ごきげんよう。
すばらしいっ!激しくすばらしいっ!
これはある意味神無月の巫女を見ていないとわからないレビューですが、このレビューを見ることによって、神無月を見てみる気持ちになってくれた方も多いはずです。

うん、すばらしい。
私なんかはもう北島マヤなみにセリフがそらで言えるくらいに神無月の巫女を見ているわけですが(笑)、それでも、なかなか言葉に表現しにくいことをろむろむ氏が上手に表現してくださっているので感心しました^^
Posted by ユリミテ at 2007年10月13日 21:37
続き(汗)

特にここ
>姫子の幸せ為なら、なんでも出来る。
なんでもしたいと思っていたのに、
姫子が他の誰かのものになるかもしれないと思った瞬間に、姫子を求める自分を自覚してしまう、苦悩のシーンです。

わかってはいたのでしょうけれど、はっきりと自覚し、
自分自身の中で認めたのはこれが初めてだったのかもしれませんよね。

>姫子に手を払いのけられたことを、気にしない振りしてめちゃめちゃ気にして傷ついてる千歌音ちゃん。

いやぁ、ここめちゃめちゃシリアスなシーンなのですが、
ろむろむさんの「気にしない振りしてめちゃめちゃ気にして」ってところが、
なんか、こう…不謹慎ですが、千歌音ちゃんかわいいなと^^;いや、はい、反省、すみません。

うぉー!なんか私も祭り頑張ります!
来週からまたぼちぼちと書いていきますね^^
お邪魔しました!
それと、こちらのブログのご紹介ありがとうございました!
Posted by ユリミテ at 2007年10月13日 21:38
ごきげんよう!
あああありがとうございます!!というか、このレビューを書くにあたって想定できた読者はユリミテさん一人でした(待。いやー・・・さすがに神無月初回オンリーのサントラの話なんて、分かる人は限られてくるかもなと思いまして。でも、ユリミテさんからお褒めの言葉を戴けてヨッシャアアアァ状態です。重ね重ね、ありがとうございます!

しかし、流石ユリミテさん。。セリフが脳に刻まれているのですね!私は今回改めてDVDにかじりついてみて、幾つか聞き逃していたセリフがあったことに気がつきました。というか、何気ない一言と表情の中に、こんなメッセージが!?とか再発見しちゃったりして、もう色々と止まりませんでした。

そして、ショックでシュンとなる千歌音ちゃんは、痛々しくありましたが、少女としての可愛らしさがにじみ出ていて、わたくしもモエモエでした(待。

ユリミテさんの本家神無月祭りも、超楽しみにしてますので、頑張って下さいね!!
Posted by ろむろむ at 2007年10月14日 20:01
このアニメを名作にしている最大の要素は窪田ミナさんの美しい曲であることはこのアニメが好きな人なら誰も否定出来ないでしょう。私は特に「雪の精」「涙の泉」が好きです。これらはインスピレーションを感じます。つまり、一般的な頭で作った平平凡凡作曲とは違いハートに訴える美しさがある。音楽は清らかで美しくなければならない。その意味で利己的でエゴだらけの汚い心の人間が創造出来るものではなく、本物の曲はいつも別次元から流れてくる音波だと思います。そのような曲は限りなく0に近い。窪田ミナさんは祝福されたのだと思います。遊佐未森の「僕の森」のようにね。
Posted by k at 2014年11月06日 20:24
>K様

コメントありがとうございます。涙の泉、私も大好きです。窪田ミナさんの曲は本当に素晴らしいと思います。窪田さんも、ものすごくこの作品について深く考えて作られたようですし、長く記憶に残るような名曲をたくさん残していただいて本当に感動です。
Posted by ろむろむ at 2014年11月08日 22:12