2007年05月19日

『嘆きノ森』<彩音>

『嘆きノ森』 (2007/2/22) ジェネオン・エンタテイメント
作詞・作曲:志倉千代丸
歌:彩音

プレイステーション2版『ひぐらしのなく頃に〜祭〜』OP主題歌。

氷のような冷ややかさを感じさせる声が、繊細で危うげなメロディと絡まり合い、何とも言いようのない不安感を煽ります。薄暗い森の中で道を失い、ひとりぼっちで彷徨い歩くような心細さ。聴けば聴くほど、深い暗闇にゆらゆらと落とされていくような錯覚を覚える歌ですが、それでいて妙に耳障りが良く、何度も何度も聞き返してしまいます。さすが『ひぐらしのなく頃に』の血脈を受け継ぐ曲だけあって“怖気(おぞけ)をふるう美しさ”の表現には力がこめられていますね。

またこの作品は、以前に島みやえいこさんが歌ったアニメ版主題歌を、良い意味で意識して作った作品であるようにも感じられました。島みやえい子さんの歌った『ひぐらしのなく頃に』(レビュー)において、私はこの楽曲と歌詞の世界を『異界』『異界+現実』『現実』の3つに分けることができると、考察しました。それと全く同じことが、この『嘆きノ森』にも云えるのではないかと思ったわけです。

<嘆きの森.Ver>
^朿Βオープニング〜1:03
現実→1:04〜1:18
0朿Α現実=狂気→1:19〜2:05(サビ)

くぐもった声が突如クリアに聴こえる部分や、重なり合うコーラスによるミステリアスな雰囲気など、何気なく聴いた感じでも微妙に通じている部分があるような気がしませんか?双方とも、“こっちの世界”“あっちの世界”を行き来するような狂気的イメージ(*ひぐらしイメージ)を持つ楽曲ですから、そうしたものが呼び合ってるのかもしれませんね。

歌詞も和製ホラーっぽさが滲み出ていて実にいいです。特に、日本人の心性の奥をくすぐる様なキーワードに注目です。

昔話や民間伝承を読むとよく書かれていることですけど、日本人は昔から“山”を畏れ、山には神様が住むと考えてきました。神様は普段は山に住んでいて、お祭りの日だけ山から降りてきて人々と交じり合い、お祭りが終わるとまた山に帰っていく・・・。山に囲まれた村落などでは、こうした風習や信仰が長く続けられていると聞きます。

神様と人間が楽しく交歓出来る、唯一の非日常空間『祭』です。祭りの日は多少の羽目を外しても、酒に酔って酩酊しても、踊り狂ったとしても、何にも問題はありません。ですが、祭り以外の日にそんな奇異な行動を取ると、それは狂気の沙汰として受け取られてしまいます。

そして結局、“祭りの日”から逃げられなくなった狂人は、共同体の空間で生きていくことが困難になり、物の怪の類に取り付かれた人として周りに受け入れてもらうか、神様を追って山へ入るしか道がなくなってしまうのです。

こうした日本古来の風習と重ねて、『嘆きノ森』の歌詞を見てみましょう。

・ひぐらしのなく深い(嘆きの)森とは、神の住む山=非日常の異界
英字の部分は、その異界から二度と(日常に)戻れないという意味か。
・子供が消える=“神隠し”も、山と関わる逸話が多い。
・詞の所々に出てくる『祭』は、ゲームの副題ともかけていると思われるが、非日常世界への誘いとも考えられる。
・祭りの後で消える炎→祭りの後で現実世界に戻れなかった『誰か』のこと。もしくは、その誰かの命の炎

もちろん志倉さんが勢いで書いただけの歌詞という可能性も捨て切れませんが、ま、それはそれとして。歌詞の面から、新しいひぐらし世界を探求してみるのも、面白いんじゃないでしょうか!?

2、『コンプレックス・イマージュ』

『ひぐらしのなく頃に』澪尽くし編OP主題歌。

『嘆きの森』のテイストとは正反対のハードで、力強さに満ち溢れたナンバー。歌詞の一つに“オヤシロ様に最後の祈りを捧げ、光の向こうへ赴く”みたいなことを書いている部分があるんですけど、ここにノックアウト。あえて意識して入れたとは思いますが、素晴らしくナイス歌詞。

全ての力を合わせ、全ての迷いを断ち切り、大切なものを守る為に最後の戦いに赴く部活メンバーの為にあるような歌ですね!!オールフォーワンワンフォーオール!!!みんなはひとりのためにひとりはみんなのために(落ち着け!!すんません。なんかこの曲聴いてると、すごくテンション上がりますんで。ホントに。

結局私はパソコン版しかゲームやってないんで『澪尽くし編』がどーゆー話なのかわからないんですけど、祭り囃子編に近いものと思っていいんでしょうかね?とりあえず、私の中で『コンプレックスイマージュ』は祭り囃子編主題歌ぐらいの勢いになってます。ああー、また上がってきたあああ!!!


ところで、この曲を歌っている彩音さんって何者なのでしょうか?
これまではメモオフ作品やプレステゲーム作品の主題歌などを担当されていて、最近ではファーストアルバムも発売されていましたけど、あまり詳しい情報は見かけませんねぇ。『嘆きノ森』のCD表紙はちょっとギャル系のお姉さん(?)って感じがしますけど、他の写真とかを見ると、案外普通の可愛らしい女の子っぽいです。ブログもほんと普通でした。

これからの活躍に期待です!



『ひぐらしのなく頃に〜祭〜』OP<嘆きの森>

*普通のOP映像なのに何もかもがネタばれに見えるミステリー注意



<拍手レス>
・『5月8日に拍手させて・・・』
こんばんは!!いえいえ、もう拍手をいただいた上に、暖かいコメントまでいただけるなんて、本当に感謝感謝でございます!!お褒めの言葉、ありがたく受け取らせていただきます。私の頬もむっちゃ緩みまくってますYO!!こんな謎サイトですが、ちょっとでも楽しんでいただけたら、これ以上嬉しいことは御座いません(^▽^)。トロい更新ですが、これからもよろしくお願い致します☆


<ひぐらし関連レビュー>
*ひぐらしのなく頃に(島みやえい子)
*かけらむすび(片霧烈火、他)
*Thanks / you(M.Graveyard(*dai))
*対象a(anNina)

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この記事へのコメント
5
ブログ村から飛んできて、「コンプレックス・イマージュ」について書いてあったので嬉しくてコメントさせてもらいました。他の曲々についての記事も面白くって思わず読みふけってしまいました。わたくしもブログでアニソンの感想とか書いちゃってるのですが、いずれはここのブログのような記事が書けるようになりたいです。これからもがんばってください!
Posted by yankof at 2008年11月14日 22:42
>yankof様

はじめまして!こんばんはです☆
コンプレックス・イマージュはいいですよね〜。ひぐらしの音楽はいいものが多いですけど、コンプレックス〜は、結構“希望”を感じさせる作品だと思うので、聴いていてテンションがあがりますね〜。

ってか、yankof様もアニソン紹介をされてらっしゃるのですか!!おおお!!これは素晴らしい!!私達はアニソンを愛する同志なのですねええ(何!!機会があればソッと教えていただきたいです☆☆

コメント、ありがとうございました!
Posted by ろむろむ at 2008年11月17日 00:21
嘆きノ森はバラード調の曲で最初のラジオ音源が良いですね
コンプレックス・イマージュはひぐらしにはめずらしい
アップテンポの曲なのにイメージを崩さないのが
素晴らしいですね
Posted by 竹箒 at 2010年12月04日 17:53
>竹箒様

コメント有難う御座います。そして遅くなって申し訳ありません!嘆きの森の冒頭の、ザラッとした感じは、非日常というか、異質感を前面に出した感じが良いですよね〜。
コンプレックスイマージュぐらいのテンションも、ひぐらし関係には珍しいものですが、ゲーム終盤の怒涛の勢いを感じさせて、またいい具合の風味を出してくれてますよね!!

ひぐらしも終わって久しく、だんだんとみんなの記憶からも消えつつありますが、まぎれもなく一時代を築いた作品だと思います。
Posted by ろむろむ at 2010年12月19日 21:52