2007年04月10日

『抱きしめたい 』<Jungle Smile>

『抱きしめたい 』Jungle Smile(ジャングルスマイル)
(2001/5/23) ビクターエンタテインメント


アニメ『超GALS!寿蘭』ED主題歌。
『超GALS!寿蘭』は、チャラチャラのギャルながら妙に義理堅く、漢気(?)のある主人公、寿蘭(ことぶきらん)と、その仲間達によるハイテンションなギャグと友情と恋愛がごった煮になったアニメでした。原作は、藤井みほなさんの同名漫画より。

そしてこの『抱きしめたい』という曲は、私の中で、友情系百合ソング金字塔となっている伝説の一曲でございます。まあ、何も云わずにこの歌詞をじっくりと聴いてみて下さい。そこには『百合姫』なんかに載っていてもまったくおかしくないような、少女たちの素晴らしき青春物語がパアアアッと!

歌詞の構成は、物語形式になっており、歌詞の中に起承転結が明確に提示されています。それでは、この曲がいかにナイスGLな内容なのかを追って見てみましょう。


<起>
地味で駄目な『わたし』は、頭脳明晰&容姿端麗なクラスの人気者の女の子を羨み、同時に強い憧れを抱いている。友達になりたいと願いながらも、口に出せず、モジモジした日々を送るのみ。

<承>
一人で泣いている彼女の姿を見てしまった『わたし』。しかし、声を掛ける勇気も持てず、慰めることも叶わず、陰から見つめるだけ

ある時、ふいに『わたし』にだけ、弱い部分を見せてくれた『あなた』。『わたし』は、その事を心から嬉しく思いながらも、受け止める勇気が出せず、それを見ないふりしてしまう。

<転>
次の日、何事もなかったかのように、いつもの人気者として笑っている『あなた』を見つめて、『わたし』は悔やみ、一つの決意をする。

<結>
寂しくてひとりぼっちに怯えているのは、『わたし』だけじゃない。それに気付いたのはきっと、『あなた』のおかげ。だから、今までの弱虫だった自分をかなぐり捨ててでも『あなた』を抱きしめに行く。『あなた』の寂しさを抱きしめられる友達に、きっとなってみせる。


若干、私の解釈が入っている部分もありますけど、大体の歌詞内容はこんな感じです。私も、中高生ぐらいの時代、憧れのクラスメイト(同性)にこういう思いを抱いたことが何度かあります。友達になりたいけど、なんとなく近寄りがたくて、でもたまに話しかけられたりすると凄く嬉しくて・・・みたいな。

女の子の友情というのも、なかなかこれで一筋縄ではいかないものです。特に思春期などは、憧れのほかにも、嫉妬とか羨望とか、独占欲とか、自分のコンプレックスの対比とか、色んな感情をごちゃ混ぜにしながら、友達と付き合う・・・ということが多いですからね。

この歌詞の主人公の女の子は、ずっと持てなかった『勇気』を、その子の孤独を埋めたい一心で、最後には振り絞ります。そこには、<憧れの人気者のあなた>という眼差しを捨て、<一人の寂しい女の子であるあなた>という視線をやっと持つことが出来た、主人公自身の成長も隠されていると思います。

これを友情と読むもよし(むしろそれが普通)、私のようにガールズラブと読むもよし、そこらへんはご自由に深読み&妄想していただければ良いと思います。女の子の友達同士の微妙な感情を歌った曲って、ありそうで微妙にないので、そうした意味でも貴重な一曲だと思いますし。

この歌詞が、ボーカル・高木郁乃さんの、力強くもどこか儚げな声によって紡がれるのですが、これがまた絶妙に味わい深くて、この曲の印象的なものに仕上げて下さっております。なんというか、この無垢で真っ白な感じがたまりません。。

漫画版『超GALS!寿蘭』の第一巻(?)ラストページに、僕らの市井ちゃんが熱いコメントを残していたことも今となってはいい思い出です。市井ちゃんは、アイドルにしては漫画好きで結構オタッキーで、そういう所も結構好きでした。本当に、可愛かったですよね・・・市井ちゃん・・・。

原作者の藤井みほなさんは、99年にリボンが起こした奇跡『秘密の花園』の作者様でもあります。陸上部のマラソンランナーの美園ちゃんと、美形演劇部員の朔耶さんの昼ドラ系青春恋愛漫画。美園ちゃんは健気で可愛いし、朔耶さんは華やかなのにひたむきでカッコいいし、P130〜135とか最終話なんかはもう、マジで神がかってるし。。何が“奇跡”なのかは、読んでご理解していただくしか。。*ヒント→私の嗜好(死。

多様性を許す少女漫画は素敵です。それは、この『超GALS寿蘭』にしてもそうです。

この漫画は、突き詰めると、テレビや雑誌など(の多くの場合オジサン編集者)が面白おかしく作る『ギャル』という存在を、ギャグを交えつつ真っ向から否定する作品だと思います。『頭の悪い、馬鹿な女の子は何をされても、どんなに傷ついても自業自得だ』そんな風に笑いながら云う誰かを、寿蘭は睨み付けているのです。そして、自分のよく知らないものを一つの括りの中に押し込めて、わかった気になっている勘違いの大人抵抗しているのです。

まあ、そんな風に考えながらこの漫画を読む人もそーそーいないでしょうけど、藤井みほなさんという漫画家さんは、そういう一つの価値観に囚われないタイプの方だと思うので、これからもそうした一歩先を行く少女漫画を書いていって欲しいと思います。



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この記事へのコメント
『秘密の花園』懐かしい…(´ー`)ノコミックは私も読みました☆(小学校の頃かな?)


ギャルズとも両方家にあります!(≧▽≦)ゞ良い作品ですよね!!
Posted by 涼風氷霧 at 2007年04月10日 22:16
おおっ、小学生にして『秘密の花園』読了済みでしたか!
秘密の〜はギャルズとは180度違うノリの漫画でしたよね。同じ作者とは思えない、あのテンションの高いノリが結構好きでした。知っている方が居て良かった×2。

ではでは、コメントありがとうございました!
Posted by ろむろむ at 2007年04月12日 00:05